編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Katayama S, Kikkawa R, Isogai S, Sasaki N, Matsuura N, Tajima N, Urakami T, Uchigata Y, Ohashi Y: Effect of captopril or imidapril on the progression of diabetic nephropathy in Japanese with type 1 diabetes mellitus: a randomized controlled study (JAPAN-IDDM). Diabetes Res Clin Pract 2002; 55: 113-121. [PubMed]

1型糖尿病におけるcaptoprilの腎保護作用は,Collaborative Studyなどで明らかにされている。本研究は,2つのACE阻害薬(captopril,imidapril)の腎保護作用を検討したものである。両薬剤とも腎保護作用を認めたが,その作用はimidaprilでより強いことが推測された。わが国における結果であり,日常診療に外挿しうる有用なものである。【河盛隆造

●目的 日本人の1型糖尿病患者におけるACE阻害薬captoprilおよびimidaprilの腎保護作用を検討した。
一次アウトカムは尿中アルブミン排泄(UAE)量の変化率。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は平均1.48年。2000年1月31日試験終了。
●対象患者 79例:<20歳で発症した日本人の1型糖尿病患者。Cペプチドの血清濃度低値および/または尿中排泄低値。20~50歳。UAE量>30mg/日。高血圧症例の場合,ACE阻害薬,Ca拮抗薬,AII受容体拮抗薬以外の降圧薬投与下でDBP<90mmHg。
除外基準:血糖コントロール不良(HbA1c値>10%)。血清クレアチニン値>2mg/dL。その他の腎,内分泌,心,肝,消化管,結合組織疾患。
●方法 患者をcaptopril群(26例),imidapril群(26例),プラセボ群(27例)に割付け。
・captoprilは37.5mg/日,imidaprilは5mg/日を投与。
・HbA1c値,UAE量を半年ごとに測定。
●結果 追跡期間中のUAE量は,プラセボ群で57%上昇したのに対してcaptopril群では31%低下,imidapril群では27%低下し,ACE阻害薬投与による有意な低下が認められた(プラセボ群 vs. ACE阻害薬群 F=11.316,p=0.001,プラセボ群 vs. captopril群 F=4.260,p=0.043,プラセボ群 vs. imidapril群 F=14.341,p<0.001)。
HbA1c値とSBPに関しては3群間に有意差はなかったが,血糖および血圧のコントロールはUAE量に有意な影響を及ぼした。プラセボ群のSBPは,試験期間を通じて7~10mmHg高い傾向が認められた。
●結論 ACE阻害薬captoprilおよびimidaprilは,微量および顕性アルブミン尿を有する1型糖尿病患者におけるUAE量の上昇を抑制することが示された。また,目標血圧は<130/80mmHgに設定すべきであることが示唆された。