編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lindholm LH, Ibsen H, Dahlof B, Devereux RB, Beevers G, de Faire U, Fyhrquist F, Julius S, Kjeldsen SE, Kristiansson K, Lederballe-Pedersen O, Nieminen MS, Omvik P, Oparil S, Wedel H, Aurup P, Edelman J, Snapinn S; The LIFE Study Group: Cardiovascular morbidity and mortality in patients with diabetes in the Losartan Intervention For Endpoint reduction in hypertension study (LIFE): a randomised trial against atenolol. Lancet 2002; 359: 1004-1010. [PubMed]

心血管疾患の予防に関して,UKPDS 39ではACE阻害薬captoprilとatenololには差がないことが示された。本研究では,losartanがプラセボではなく実薬対照のatenololに勝ることが示され,糖尿病を伴った高血圧治療の今後の薬剤選択に影響を与えうる貴重な成績である。
HOPE study and MICRO-HOPE substudyでは,ACE阻害薬ramiprilの降圧を介さない臓器保護作用が示唆された。本研究においても降圧効果は両群で同等であったことから,losartanにも降圧を介さない臓器保護作用が存在することが示唆される。
糖尿病を伴った高血圧の多くは低または正レニン性であるが,レニン・アンジオテンシン系抑制薬が有用であることは興味深い。【景山 茂

●目的 高血圧および左室肥大(LVH)を有する糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬losartanとβ遮断薬atenololの心血管疾患(CVD)罹患および死亡に対する効果を比較検討した。
一次複合エンドポイントはCVD罹患および死亡(心血管死,脳卒中,心筋梗塞)。
●デザイン 無作為,二重盲検,パラレル,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は≧4年(平均4.7年)。登録期間は1995年6月~1997年5月。2001年9月試験終了。
●対象患者 1195例:LIFEの登録患者(9193例)のうち,ベースライン時に糖尿病を認めた例。
登録基準:55~80歳(平均67歳)。心電図で確認されたLVH。坐位SBP160~200mmHgおよび/または坐位DBP95~115mmHg(平均177/96mmHg[run-in期間後])。
●方法 患者をlosartan群(586例)とatenolol群(609例)にランダム化。
・run-in期間(1~2週):プラセボを投与。
・追跡期間:losartan,atenololはそれぞれ50mg/日を投与。目標血圧≦140/90mmHgに達するまで,利尿薬hydrochlorothiazide 12.5mgの追加投与,losartanまたはatenololの増量(各100mg/日),他の降圧薬(β遮断薬,ACE阻害薬,AII受容体拮抗薬を除く)の追加投与を行った。
・エンドポイントの発生をCox回帰分析(共変数は,ベースライン時のLVHの程度およびFraminghamリスクスコア)にて比較した。
●結果 平均血圧は,losartan群146/79mmHg,atenolol群148/79mmHgに低下した。一次エンドポイントは,losartan群103例(18%),atenolol群139例(23%)に発生し,losartan群で有意に抑制された(相対リスク[RR]0.76[95%CI 0.58-0.98],p=0.031)。CVD死(38例[6%] vs. 61例[10%],RR 0.63[95%CI 0.42-0.95],p=0.028)および全死亡(63例[11%] vs. 104例[17%],RR 0.61[95%CI 0.45-0.84],p=0.002)についても,losartan群で有意に抑制された。
●結論 高血圧およびLVHを有する糖尿病患者において,losartanはatenololに比してCVD罹患および死亡,全死亡の抑制に関してより優れていた。降圧効果は両群で同等であったことから,losartanは降圧以外の有効性を有すると考えられる。