編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Rodriguez BL, Abbott RD, Fujimoto W, Waitzfelder B, Chen R, Masaki K, Schatz I, Petrovitch H, Ross W, Yano K, Blanchette PL, Curb JD: The American Diabetes Association and World Health Organization classifications for diabetes: their impact on diabetes prevalence and total and cardiovascular disease mortality in elderly Japanese-American men. Diabetes Care 2002; 25: 951-955. [PubMed]

ADA(1997年改訂)およびWHO(1998年改訂)の基準を用いた場合の,糖尿病の病期と全死亡および心血管死との関係を検討している。ADA基準はFBG値のみによる診断である。糖尿病と診断された患者の非糖尿病患者に対する全死亡および心血管死の相対リスクは,両基準でほぼ同等であった。しかし,全集団のFBG値および2時間値を連続変数とし,それぞれの80パーセンタイルと20パーセンタイルを比較したところ,2時間値のみが全死亡および心血管死の有意な予測因子であった。このことは,耐糖能異常者の全死亡および心血管死のリスクに寄与する因子はFBG値ではなく2時間値であること,つまり糖負荷試験の有用性を示している。【河盛隆造

●目的 高齢の日系アメリカ人男性において,ADA(米国糖尿病協会)およびWHOの基準を用いた場合の,糖尿病有病率の比較,糖尿病と全死亡および心血管死との関係の検討,空腹時血糖(FBG)値または75g OGTT 2時間値(2時間値)のいずれが全死亡および心血管死のより優れた予測因子であるかの検討を行った。
●デザイン 疫学。
●試験期間 追跡期間は7年。
●対象患者 2034例:Honolulu Heart Programに登録された日系アメリカ人男性(1965年にハワイ・オアフ島在住の心血管疾患を有さない45~68歳)8006例のうち,1991~1993年に受診し,FBG値および2時間値が測定された例。71~93歳。
除外基準:糖尿病治療薬の投与。
●方法 ADA基準(FBG値≧126mg/dL)とWHO基準(FBG値≧126mg/dLおよび2時間値≧200mg/dL)による糖尿病の有病率,糖尿病患者の非糖尿病患者に対する最長7年の全死亡および最長6年の心血管死の相対リスク(RR)を検討した。また,FBG値および2時間値を連続変数として解析した場合の全死亡および心血管死のRRを検討した。
●結果 WHO基準で糖尿病と診断された患者の66%が,ADA基準では正常であった。糖尿病患者の非糖尿病患者に対する全死亡および心血管死のRR(リスク因子補正後)は,ADA基準(1.75,2.03)とWHO基準(1.86,1.81)で同等であった。しかし,FBG値および2時間値を連続変数として解析したところ,FBG値を用いた場合の全死亡および心血管死のRR(リスク因子補正後)は0.98,1.05であったのに対し,2時間値を用いた場合は1.45,1.43であったことから,2時間値のほうがより優れた予測因子であり,FBG値とは独立していることが示された。対照的に,2時間値を用いた場合,FBG値は死亡および心血管死の独立した予測因子ではなかった。
●結論 高齢の日系アメリカ人男性では,糖代謝異常の有病率は非常に高かった。死亡の高リスク症例の特定において,WHO基準はADA基準より優れていた。したがって,2時間値の測定は有用であり,疫学調査においては今後も実施される必要がある。