編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Wang JG, Staessen JA, Gong L, Liu L: Chinese trial on isolated systolic hypertension in the elderly. Systolic Hypertension in China (Syst-China) Collaborative Group. Arch Intern Med 2000; 160: 211-220. [PubMed]

本試験は,すでに報告されているSyst-Eurの中国版である。糖尿病を合併している場合は,プラセボ群ですべてのエンドポイント発生リスクが増大することが示され,収縮期高血圧においても糖尿病合併例ではより厳格な血圧コントロールが重要であることを示している。ただし,本試験の糖尿病合併例は全症例のわずか4.1%(98例)であり,サンプルサイズがあまりに小さいので,さらなる確認が必要である。【景山 茂

●目的 収縮期高血圧を有する高齢中国人において,段階的降圧療法の有用性を性別および心血管系合併症既往(合併症既往)の有無による4つの患者層間で比較するとともに,心血管疾患の罹患率および死亡率に対する年齢,血圧,喫煙および飲酒習慣,糖尿病の影響を検討した。
エンドポイントは,全死亡,心血管死,すべての致死性または非致死性心血管エンドポイント,すべての脳卒中,すべての心エンドポイント。
●デザイン プラセボ対照,多施設(中国),intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は3年(中央値)。1988年試験開始。
●対象患者 2394例:収縮期高血圧を有する高齢中国人。≧60歳(平均66.5歳)。run-in期間中の坐位SBP160~219mmHgかつ坐位DBP<95mmHg。男性1541例,女性853例。合併症既往あり269例,合併症既往なし2125例。
除外基準:血清クレアチニン値>2mg/dL,重度の合併症。
●方法 患者を参加施設,性別,合併症既往の有無について層別化し,プラセボ投与のrun-in期間後,実薬群(1253例)とプラセボ群(1141例)に割付け。
・実薬群はCa拮抗薬nitrendipine 10~40mg/日より開始し,坐位SBPを≧20mmHg低下させて<150mmHgとなるよう,必要に応じてACE阻害薬captopril 12.5~50.0mg/日および/または利尿薬hydrochlorothiazide 12.5~50mg/日を併用。
・プラセボ群は同様に,各剤に対応したプラセボを投与した。
●結果 Cox回帰分析では,男性,合併症既往あり,高齢,SBP高値,DBP低値,中国北部居住,喫煙,糖尿病は1つ以上のエンドポイントの独立した有意な予測因子であった。プラセボ群では,糖尿病例におけるすべてのエンドポイント発生リスクは非糖尿病例に比して2.23~3.36倍に増大していたが(p≦0.05),実薬群では,心血管死(3.24倍に増大,p=0.04)を除いて,糖尿病による有意なリスク増大は認めなかった(p=0.12~0.86)。
有意な共変数を補正後のCox回帰分析では,実薬投与による全死亡の減少は女性でより大きく(p=0.06),脳卒中の減少は男性でより大きかった(p=0.07)。また,非喫煙例では喫煙例に比して心エンドポイントの有意な減少を認めた(p=0.04)。これらを除くと,患者背景や治療法(nitrendipine単独または他剤との併用)にかかわらず,実薬投与による有用性は同等であった。
●結論 収縮期高血圧を有する高齢中国人において,nitrendipineより開始する段階的降圧療法は予後改善効果を有することが示された。その有用性は特に糖尿病例で顕著であり,また心エンドポイントは非喫煙例でより大きな改善を認めた。その他の患者背景は,段階的降圧療法の有用性に有意な影響を及ぼさないことが示された。