編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Viberti G, Wheeldon NM; MicroAlbuminuria Reduction With VALsartan (MARVAL) Study Investigators: Microalbuminuria reduction with valsartan in patients with type 2 diabetes mellitus: a blood pressure-independent effect. Circulation 2002; 106: 672-678. [PubMed]

AII受容体拮抗薬の腎保護作用については,高血圧の微量アルブミン尿患者を対象としたIRMA2がすでに報告されている。本試験は,正常血圧例を30数%含む微量アルブミン尿の2型糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬により6ヵ月後のUAERが56%に減少し,患者の約30%でUAERが正常化(いわゆるremission)することを示した重要な試験である。高血圧の蛋白尿患者を対象としたIDNTと同様,本試験でもCa拮抗薬の腎保護作用は明らかでなかった。【片山茂裕

●目的 微量アルブミン尿を伴う2型糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬valsartanが降圧効果とは独立した尿中アルブミン排泄率(UAER)改善効果を有するか,Ca拮抗薬amlodipineと比較検討した。
一次エンドポイントは24週後のUAER変化率。二次エンドポイントはUAERが正常(中央値<20μg/分)に回復した患者の割合。
●デザイン 無作為,二重盲検,パラレル,多施設(英国),intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は24週。登録期間は1998年3月~1999年12月。
●対象患者 332例:微量アルブミン尿(UAER 20~200μg/分)を伴う2型糖尿病患者。35~75歳。血清クレアチニン値正常。血圧<180/105mmHg。
除外基準:1型糖尿病(発症時<35歳,発症後1年以内にインスリン投与開始)。過去5週のACE阻害薬,AII受容体拮抗薬,Ca拮抗薬の投与。妊娠の可能性。過去6ヵ月のACE阻害薬を要する心不全。心筋梗塞(MI)既往。過去3ヵ月のPTCAまたは脳血管事故。重度の糖尿病性神経障害。高血圧性または肝性脳症の既往。肝疾患。
●方法 患者をvalsartan群(169例)とamlodipine群(163例)にランダム化。正常血圧例はvalsartan群37%,amlodipine群33%。
・valsartan群は80mg/日,amlodipine群は5mg/日を24週投与。目標血圧(135/85mmHg)に達しない場合,4週後に試験薬を2倍に増量し,8週後に利尿薬bendrofluazide 2.5mg/日,12週後にα遮断薬doxazosinを追加併用した。
●結果 試験完了例は291例(valsartan群146例,amlodipine群145例)であった。
24週後のUAERは,valsartan群はベースライン時の56%(95%CI 49.6-63.0),amlodipine群はベースライン時の92%(95%CI 81.7-103.7)で,両群間に有意差を認めた(p<0.001)。高血圧例(≧140/90mmHgおよび/または降圧薬の投与)と正常血圧例に分けて検討しても同様に,valsartan群でUAERがより低下した。
UAERが正常に回復した患者は,valsartan群で有意に多かった(29.9 vs. 14.5%;p=0.001)。
試験期間中の降圧の程度は,valsartan群11.2/6.6mmHg,amlodipine群11.6/6.5mmHgと同等であり,高血圧例と正常血圧例に分けて検討しても同等であった。
●結論 微量アルブミン尿を伴う2型糖尿病患者(正常血圧例を含む)において,血圧および降圧の程度が同等の場合,valsartanはamlodipineに比してより効果的にUAERを改善した。このことは,valsartanが降圧効果とは独立した蛋白尿改善効果を有することを示唆している。