編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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DAFNE Study Group: Training in flexible, intensive insulin management to enable dietary freedom in people with type 1 diabetes: dose adjustment for normal eating (DAFNE) randomised controlled trial. BMJ 2002; 325: 746-749. [PubMed]

炭水化物摂取量にあわせてインスリン注射量を決めるという柔軟な1型糖尿病治療プログラムの試みである。開始6ヵ月後のHbA1cは改善したものの,12ヵ月後には開始前のレベルである9%前後に戻っている。これは糖尿病細小血管合併症を予防するには不十分である。QOLの改善はみられるものの,すべての1型糖尿病治療に普遍化するには大きな問題がある。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者に対する柔軟な強化インスリン療法(自由な食事とそれに応じたインスリン投与量の調整)の指導が血糖コントロールとQOLを改善するか否かを検討した。
一次アウトカムはHbA1c値,重度の低血糖,糖尿病がQOLに及ぼす影響。二次アウトカムは全般的安心感,治療満足度,心血管リスク。
●デザイン 無作為,多施設(英国)。
●試験期間 追跡期間は12ヵ月。
●対象患者 169例:血糖コントロールが中等度~不良(HbA1c値7.5~12%)の成人1型糖尿病患者。≧18歳(平均40歳)。糖尿病罹病期間≧2年(平均16.6年)。重度の合併症を認めない。
●方法 患者を,緊急DAFNE群(84例)と遅延DAFNE群(85例)にランダム化。
・緊急DAFNE群では,毎食の炭水化物摂取量に応じたインスリン投与量調整の指導をすぐに実施し,遅延DAFNE群では,通常の治療を6ヵ月実施後,緊急DAFNE群と同様の指導を実施した。
●結果 6ヵ月後のHbA1c値は,緊急DAFNE群で遅延DAFNE群に比して有意に良好であった(8.4 vs. 9.4%,t=6.1,p<0.0001)。食事の自由(t=-5.4,p<0.0001)およびQOL(t=2.9,p<0.01)に糖尿病が及ぼす影響は,6ヵ月後に緊急DAFNE群で有意に改善した。全般的安心感(t=3.1,p<0.01)および治療満足度(t=-10.3,p<0.0001)も緊急DAFNE群で有意に改善したが,重度の低血糖,心血管リスク因子については両群に有意差を認めなかった。6ヵ月後におけるQOLの改善は有意差には至らなかったが,1年後には有意差が認められた。
●結論 1型糖尿病患者に対する柔軟な強化インスリン療法の指導により,重度の低血糖および心血管リスクを増加することなく,QOLおよび血糖コントロールが改善された。このアプローチにより,強化インスリン療法をより多くの患者に実施できる可能性があり,さらに研究を行うべきである。