編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Yusuf S, Gerstein H, Hoogwerf B, Pogue J, Bosch J, Wolffenbuttel BH, Zinman B, HOPE Study Investigators: Ramipril and the development of diabetes. JAMA 2001; 286: 1882-1885. [PubMed]

高血圧患者を対象とした臨床試験では,ACE阻害薬およびAII受容体拮抗薬の糖尿病発症抑制効果はすでに報告されている。HOPEは主に非高血圧が対象であるが,ここでもACE阻害薬の糖尿病発症抑制効果が示された。【景山 茂

●目的 糖尿病の高リスク患者において,ACE阻害薬ramiprilの糖尿病発症抑制効果を検討した。
一次アウトカムは糖尿病の新規発症。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,多施設。
●試験期間 追跡期間は平均4.5年。試験期間は1994~1999年。
●対象患者 5720例:HOPE登録患者のうち,糖尿病を有さない血管疾患患者。≧55歳。
除外基準:左室機能障害または心不全,ACE阻害薬の適応または禁忌。
●方法 患者を,ramipril(~10mg/日)群(2837例)とプラセボ群(2883例)にランダム化。
ランダム化の1ヵ月後と6ヵ月後,およびその後6ヵ月ごとに,自己申告に基づいて糖尿病発症の有無を評価した。
●結果 自己申告による糖尿病の発症は,ramipril群102例(3.6%),プラセボ群155例(5.4%)と,ramipril群で有意に少なかった(相対リスク[RR]0.66,95%CI 0.51-0.85,p<0.001)。別の診断基準を用いた場合も,HbA1c値が正常上限の≧110%(1.8 vs. 3.0%,RR 0.60,95%CI 0.43-0.85,p=0.003),血糖降下薬またはインスリンの投与(2.1 vs. 3.6%,RR 0.56,95%CI 0.41-0.77,p<0.001),その両方に該当(1.3 vs. 2.5%,RR 0.51,95%CI 0.34-0.76,p<0.001)と,いずれも発症はramipril群で有意に少なかった。
糖尿病発症のリスク因子(ウェストヒップ比,BMI,高血圧,微量アルブミン尿,β遮断薬投与,利尿薬投与)によるサブグループ解析においても,ramiprilの糖尿病発症抑制効果は同様であった。
●結論 高リスク患者において,ramiprilは糖尿病発症を抑制することが示された。この結果は臨床的および公衆衛生的に重要な意義をもつため,さらなる検討が必要である。