編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lindholm LH, Ibsen H, Borch-Johnsen K, Olsen MH, Wachtell K, Dahlof B, Devereux RB, Beevers G, de Faire U, Fyhrquist F, et al: Risk of new-onset diabetes in the Losartan Intervention For Endpoint reduction in hypertension study. J Hypertens 2002; 20: 1879-1886. [PubMed]

糖尿病の新規発症リスクは,試験開始時の血糖値が18mg/dL上がると1.6倍,BMIが1kg/m²上がると1.08倍,HDL-C値が38.7mg/dL上がると0.36倍,SBPが10mmHg上がると1.18倍となった。losartanの糖尿病新規発症への寄与は29%であった。
降圧薬のインスリン感受性へ及ぼす影響は,clamp法やSSPG法で評価されてきた。AII受容体拮抗薬については,インスリン感受性をよくする,あるいは変化させないと報告されてきたが,本試験により,AII受容体拮抗薬が実際に糖尿病の新規発症をβ遮断薬に比べ25%抑制するという,長期のアウトカムとして証明されたことになる。このことは,高血圧患者の治療にあたり,インスリン感受性を改善する降圧薬を選択することがいかに重要かを示している。【片山茂裕

●目的 左室肥大(LVH)を有する高血圧患者において,糖尿病新規発症のリスク因子を検討した。
●デザイン 無作為,二重盲検,パラレル。
●試験期間 追跡期間は≧4年(平均4.8年)。登録期間は1995年6月~1997年5月。2001年9月試験終了。
●対象患者 7998例:LIFEの登録患者(9193例)のうち,ベースライン時に糖尿病を認めない例。男性46%。
登録基準:55~80歳(平均67歳)。心電図で確認されたLVH。プラセボ投与のrun-in期間(2週)後,坐位SBP160~200mmHgおよび/または坐位DBP95~115mmHg(平均174/98mmHg)。
●方法 患者をAII受容体拮抗薬losartan群(4019例)とβ遮断薬atenolol群(3979例)にランダム化し,糖尿病の新規発症を追跡。
・目標血圧<140/90mmHgに達するまで,利尿薬hydrochlorothiazideの追加投与,または試験薬を倍増。
・多変量解析にて,ベースライン時の患者背景から糖尿病新規発症リスク因子(血糖値,BMI,血清HDL-C値,SBP,降圧薬の投与歴)を求め,それらに基づいて糖尿病予測スコアを算出。
●結果 糖尿病新規発症リスクは,糖尿病予測スコアが上位1/4の患者は,残り3/4の患者に比して顕著に高く,糖尿病予測スコアの上昇に伴い増大していた。また糖尿病予測スコアにかかわらず,losartan群ではatenolol群に比して糖尿病新規発症リスクが低かった。糖尿病新規発症は,losartan群242例(13.0/1000人・年),atenolol群320例(17.5/1000人・年)であった(相対リスク0.75,95%CI 0.63-0.88,p<0.001)。
●結論 ベースライン時の血糖値(非空腹時),BMI,血清HDL-C値,SBP,降圧薬の投与歴に基づいた糖尿病予測スコアは,糖尿病新規発症と強い相関を有することが示された。これらのリスク因子とは関係なく,LVHを有する高血圧患者において,losartan投与例ではatenolol投与例に比して糖尿病の新規発症が少なかった。