編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Eriksson KF, Lindgarde F: Diabetologia 1998; 41: 1010-1016. [PubMed]

12年間にわたる前向きコホート研究。IGT群への食事・運動介入は,死亡リスクをNGT群程度まで減少させることを明らかにした。近年,食後高血糖と死亡リスクの関連性に言及する報告が多いが,本研究ではIGT群におけるOGTT 2時間値は独立した死亡リスクではなかった。【河盛隆造

●目的 耐糖能異常(IGT)患者において,生活習慣改善(食事療法,運動療法)により2型糖尿病発症を抑制することで死亡率が低下するか否かを検討し,また死亡の予測因子を検討した。
●デザイン 前向き,非無作為。
●試験期間 追跡期間は12年。
●対象患者 6956例:1926~1931年生まれで,48歳時に健康診断を受けた男性。
●方法 対象を,IGT群(IGT介入群[288例],IGT非介入群[135例]),糖尿病群(144例),正常耐糖能(NGT)群(6389例)に分類。
・IGT介入群には食事療法および運動療法を実施し,IGT非介入群には通常の患者指導を実施。
・ベースライン時に血糖値,血漿インスリン値,血圧,脂質値,肺機能,最大酸素摂取量などを測定し,60歳まで生存状況および死因を追跡調査。
●結果 IGT群はNGT群に比して,過体重で肺活量が低く,高血圧,高脂血症,高インスリン血症が多かった。IGT介入群の死亡率はNGT群とほぼ同等で(6.5 vs. 6.2/1000人・年),IGT非介入群に比して有意に低かった(6.5 vs. 14.0/1000人・年,p=0.009)。
IGT群では,全死亡の有意な予測因子はインターベンションのみで,BMI,SBP,喫煙,コレステロール値,OGTT 2時間値は予測因子ではなかった。また,虚血性心疾患(IHD)死の有意な予測因子は,IGT群ではSBPのみであった(p=0.016)。コホート全体では,BMI,SBP,高脂血症,糖尿病,喫煙がIHD死の有意な予測因子であった。
●結論 IGT患者では2型糖尿病発症リスクおよびIHDなどによる死亡リスクが高いことが知られているが,生活習慣改善(食事療法,運動療法)を中心とした長期介入プログラムにより死亡率が低下することが示された。