編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hanefeld M, Koehler C, Fuecker K, Henkel E, Schaper F, Temelkova-Kurktschiev T: Insulin secretion and insulin sensitivity pattern is different in isolated impaired glucose tolerance and impaired fasting glucose: the risk factor in impaired glucose tolerance for atherosclerosis and diabetes study. Diabetes Care 2003; 26: 868-874. [PubMed]

本論文は,ドイツDresden近郊の40~70歳男女を対象に,IFGおよびIGT症例をインスリン分泌低下とインスリン抵抗性の観点から評価したものである。DECODEやFunagata Diabetes Studyにおいては,IFGではなくIGTが心血管疾患の独立したリスク因子であることが示された。したがって,IGTにより強いインスリン抵抗性がみられるものと予測されたが,結果は逆となっている。動脈硬化疾患の発生機序を考えるにあたって興味深い結果ではあるが,HOMAインデックスの使用にあたっては論議があり,それ以外の指標でインスリン抵抗性を評価した検討も待たれる。【河盛隆造

●目的 空腹時血糖異常(IFG)症例および耐糖能異常(IGT)症例を,インスリン分泌異常とインスリン抵抗性の観点から比較検討した。
●デザイン 横断研究。
●試験期間 -
●対象患者 664例:RIADに登録された2型糖尿病発症の高リスク症例。
登録基準:40~70歳。2型糖尿病,肥満および/または異常リポ蛋白血症の家族歴。
除外基準:糖尿病。耐糖能に影響を及ぼす薬剤または感染症治療薬の服用。肝疾患または腎疾患。甲状腺機能異常。
●方法 血糖値を,ベースライン時(空腹時血漿ブドウ糖[FPG]値)および75g OGTT実施2時間後まで30分ごとに測定し,耐糖能正常(NGT)症例,IFG症例(FPG値110~126mg/dL,OGTT 2時間値<140mg/dL),IGT症例(FPG値<110mg/dL,OGTT 2時間値140~200mg/dL),混合耐糖能障害(CGI)症例(FPG値110~126mg/dL,OGTT 2時間値140~200mg/dL)に分類。
同時にインスリン,Cペプチド,プロインスリン,遊離脂肪酸を測定した。
●結果 664例のうち,NGT症例は367例(55.2%),IFG症例は90例(13.6%),IGT症例は101例(15.2%),CGI症例は106例(16.0%)であった。
性別,年齢,BMIを補正後,すべての高血糖症例(IFG症例,IGT症例,CGI症例)ではNGT症例に比して心血管リスク因子のレベルが高かった。IFG症例ではIGT症例に比してインスリン抵抗性が有意に高く,一方,IGT症例ではIFG症例に比してOGTT実施後早期(30分後)およびそれ以降(30~120分後)のインスリン分泌が顕著に不足していた。因子解析では,IFG症例でインスリン抵抗性因子(全分散の28.4%),IGT症例でインスリン分泌因子(全分散の31.1%)が優位であった。
●結論 IFG症例とIGT症例ではインスリン抵抗性およびインスリン分泌異常の程度が異なり,IGT症例では早期およびそれ以降のインスリン分泌が不足していた。このことは,各症例における2型糖尿病の一次予防において重要であると考えられる。