編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Resnick HE, Redline S, Shahar E, Gilpin A, Newman A, Walter R, Ewy GA, Howard BV, Punjabi NM, Sleep Heart Health Study: Diabetes and sleep disturbances: findings from the Sleep Heart Health Study. Diabetes Care 2003; 26: 702-709. [PubMed]

睡眠遮断や睡眠時無呼吸症候群が,インスリン抵抗性を惹起したり,糖尿病と関連するとの報告がある。今回の報告は,その詳細な機序は不明であるが,糖尿病が呼吸中枢に影響を及ぼすことを明らかにした。【片山茂裕

●目的 糖尿病と睡眠時呼吸障害(SDB)の関係を検討するとともに,糖尿病患者の呼吸障害が中枢型か閉塞型かを比較した。
●デザイン 多施設。
●試験期間 試験期間は1995年12月~1998年1月。
●対象患者 5874例:7つのコホート研究[下部NOTE参照]に登録された異なる民族の男女(≧40歳)のうち,年齢,人種,糖尿病の有無,BMI,頸囲に関するデータが得られた例。糖尿病患者692例。心血管疾患(CVD)患者1002例。
●方法 ベースライン時に終夜睡眠ポリグラフ検査を実施し,呼吸障害指数(RDI),閉塞型無呼吸指数(OAI),酸素飽和度<90%の睡眠時間の割合,中枢型無呼吸指数(CAI),周期呼吸(Cheyne Stokes呼吸)の発現,睡眠期と,糖尿病との関係を評価した。
・RDI:睡眠1時間あたりの無呼吸および低呼吸の発現回数。
・OAI:睡眠1時間あたり≧3回の上気道閉塞による無呼吸の発現回数。
・CAI:睡眠1時間あたり≧3回の呼吸努力のない無呼吸の発現回数。
●結果 非CVD患者(4872例)の解析では,糖尿病患者(470例[9.6%])は非糖尿病患者に比してCVDリスク因子が不良で,BMI,腹囲,頸囲,トリグリセリドが有意に高値であり,高血圧例が有意に多く,HDL-C値が有意に低値であった(いずれもp<0.001)。記述解析では,RDI,睡眠期,酸素飽和度<90%の睡眠時間,CAI,周期呼吸に関して,糖尿病の有無で有意差を認めた(いずれもp<0.05)。しかし,多変量回帰分析(年齢,性別,BMI,人種,頸囲を補正)では,レム睡眠(糖尿病患者19.0 vs. 非糖尿病患者20.1%,p<0.001)および周期呼吸(糖尿病患者のオッズ比[vs. 非糖尿病患者]1.80,95%CI 1.02-3.15)を除き,糖尿病の有無で有意差を認めなかった。さらに補正解析では,有意ではないものの,糖尿病患者でCAIに関するオッズ比の上昇を認めた(1.42,95%CI 0.80-2.55)。
CVD患者1002例(うち糖尿病患者222例)を加えた解析でも,ほぼ同様の結果が得られた。
●結論 糖尿病は,中枢の換気調節異常による周期呼吸と相関することが示唆された。糖尿病が呼吸中枢に及ぼす悪影響により発現する睡眠障害があることが考えられる。糖尿病患者でSDBの有病率が高い要因は,多くが肥満および他の交絡因子によるものと考えられるが,治療可能なCVDリスク因子がある可能性も示唆された。