編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tanasescu M, Leitzmann MF, Rimm EB, Hu FB: Physical activity in relation to cardiovascular disease and total mortality among men with type 2 diabetes. Circulation 2003; 107: 2435-2439. [PubMed]

すでに,5125人の糖尿病女性で行われたNurses' Health Study(NHS)で同様の成績が報告されているが,男性では今までにない多人数の長期間の成績である。NHSでは,4分位にした場合,最も運動する群でCVDリスクが45%減少した。今回のHPFSでは,5分位の3番目の群でCVDリスクが最も低下し,L型の関係が示されたのは興味深い。ちなみに,この群の運動強度は12.1~21.7MET時間/週であり,1週あたり早足歩行なら3~5時間,ジョギングなら2~3時間,ランニングなら1~2時間に相当する。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,身体活動レベル,ウォーキングおよびその速度と,心血管疾患(CVD)および死亡との関係を検討した。
CVD関連のエンドポイントは,致死性および非致死性脳卒中,致死性冠動脈心疾患,非致死性心筋梗塞(MI)。
●デザイン 前向き,コホート。
●試験期間 追跡期間は14年(18894人・年)。2000年1月31日試験終了。
●対象患者 2803例:HPFSの対象者(米国在住,1986年に40~75歳の医療専門職男性51529例)のうち,30歳以降に2型糖尿病と診断され,身体障害を有さない例。
除外基準:MI,狭心症,冠動脈血行再建術,一過性脳虚血発作,間欠性跛行,脳卒中,癌の既往。階段昇降またはウォーキングが困難。
●方法 2年ごとに余暇の身体活動に関する質問表調査を実施し,身体活動に費やした時間,ウォーキング速度などを評価。CVDおよび死亡を追跡。
●結果 追跡期間中に266例がCVDを新規発症し(致死性96例,非致死性170例),355例が死亡した。
身体活動量により対象者を5群に分けると,交絡因子を補正した多変量解析によるCVDの相対リスクは,身体活動量が少ない群から1.0,0.87,0.64,0.72,0.67(p for trend=0.07)と,活動量が多い群ほどリスクは低下した。全死亡の相対リスクも同様に,活動量が多い群で有意な低下傾向を示した(それぞれ1.0,0.80,0.57,0.58,0.58;p for trend=0.005)。ウォーキングも,CVDリスク(それぞれ1.0,1.01,0.90,1.07,0.66;p for trend=0.05)および全死亡リスク(それぞれ1.0,0.97,0.87,0.97,0.57;p for trend=0.002)を有意に減少した。またウォーキング速度は,ウォーキング時間とは独立してCVD,致死性CVD,全死亡との間に逆相関を認めた。
●結論 2型糖尿病の男性において,身体活動はCVD,CVD死,全死亡のリスクを低減することが示された。また,ウォーキングおよびその速度は全死亡の減少と相関していた。