編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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van de Ree MA, Huisman MV, Princen HM, Meinders AE, Kluft C, DALI-Study Group: Strong decrease of high sensitivity C-reactive protein with high-dose atorvastatin in patients with type 2 diabetes mellitus. Atherosclerosis 2003; 166: 129-135. [PubMed]

健康なボランティアにおける研究において,高感度CRP値は心血管イベントの予測因子であることが確認されていた。本研究における高感度CRP値の減少効果は,メカニズムはいまだ解明されておらず,atorvastatinのもつpleiotropic effectといえるものである。この抗炎症作用が,2型糖尿病患者において,心筋梗塞,脳卒中,末梢動脈障害などの発症抑制に働いている可能性が考えられる。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病患者において,HMG-CoA還元酵素阻害薬atorvastatinのC反応性蛋白(CRP)減少効果に用量依存性が認められるか否かを検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は30週。
●対象患者 197例:脂質代謝異常を認める2型糖尿病患者。
登録基準:トリグリセリド値133~531mg/dL,総コレステロール値155~310mg/dL,冠動脈疾患,心筋梗塞,狭心症の既往を有さない。
除外基準:急性期反応に関係する疾患。
●方法 患者を,atorvastatin 10mg/日(A10)群,80mg/日(A80)群,プラセボ群にランダム化。
ベースライン時および30週後に高感度CRP値を測定。CRP値の任意目標値は3.0mg/Lとした。
●結果 CRP値>15mg/Lの症例を除外後の解析可能症例は,186例(A10群55例,A80群67例,プラセボ群64例)であった。
30週後におけるCRP中央値の変化は,プラセボ群+6.6%,A10群-15%,A80群-47%と,A80群で顕著な低下を認めた(p<0.001 vs. プラセボ群およびA10群)。CRP値の変化の21%はIL-6値の変化によるものであり(p<0.001),血漿脂質値の変化と関係していたのは8%のみであった(p=0.01)。
ベースライン時のCRP値が>3.0mg/Lの症例のうち,30週後に<3.0mg/Lに低下したのは,A80群で56%であったのに対し,A10群は23%(p<0.01 vs. A80群),プラセボ群は17%(p<0.005 vs. A80群)であった。
●結論 2型糖尿病患者において,高用量atorvastatin投与はCRP値を顕著に減少させた。このCRP値の減少は,脂質低下効果およびIL-6値の変化とは独立していた。したがって,高リスク患者における高用量atorvastatin投与は,心保護作用に加えて多面的な抗炎症作用を有する可能性がある。