編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Keech A, Colquhoun D, Best J, Kirby A, Simes RJ, Hunt D, Hague W, Beller E, Arulchelvam M, Baker J, et al.: Secondary prevention of cardiovascular events with long-term pravastatin in patients with diabetes or impaired fasting glucose: results from the LIPID trial. Diabetes Care 2003; 26: 2713-2721. [PubMed]

LIPID試験は,心筋梗塞または不安定狭心症の既往をもつ患者群に対するpravastatinの二次予防効果を明らかにしたものである。ここでの検討は,糖尿病および空腹時高血糖の有無に注目したサブ解析であり,対象は血漿総コレステロール値155~271mg/dLの正~軽度高コレステロール血症である。pravastatinは,心血管イベントおよび脳卒中発症をいずれの群においても抑制し,その効果は,空腹時血糖正常者より糖尿病患者においてやや高かった。【河盛隆造

●目的 冠動脈心疾患(CHD)を有する糖尿病患者および空腹時血糖異常(IFG)患者において,HMG-CoA還元酵素阻害薬pravastatinによる脂質低下療法の心血管イベントに対する有効性を検討した。
一次アウトカムは主要なCHDイベント(CHD死または非致死性心筋梗塞[MI])。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,多施設(オーストラリア,ニュージーランド),intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は平均6年。
●対象患者 9014例:L IPIDの対象患者(31~75歳のCHD患者)。糖尿病患者1077例(pravastatin群535例,プラセボ群542例),IFG患者940例(それぞれ466例,474例),空腹時血糖正常(NFG)患者6997例(それぞれ3501例,3496例)。
登録基準:過去3~36ヵ月のMIの既往または不安定狭心症による入院歴。血漿総コレステロール値155~271mg/dL。空腹時トリグリセリド(TG)値<443mg/dL。
●方法 プラセボ投与によるrun-in期間(8週)後,患者をpravastatin(40mg/日)群またはプラセボ群にランダム化。心血管イベントの発生を追跡した。
●結果 pravastatin投与による脂質値の変化は,TG値を除き,糖尿病患者,IFG患者,NFG患者で類似していた。
プラセボ群では,主要なCHDイベントリスクは,NFG患者に比して糖尿病患者で61%,IFG患者で23%高かった。また,すべての心血管イベントリスクは,NFG患者に比して糖尿病患者で37%,IFG患者で19%高かった。
pravastatin群における主要なCHDイベントリスクは,全体で15.9%から12.3%に低下した(相対リスク減少[RRR]24%,p<0.001)。糖尿病患者では23.4%から19.6%に低下し(RRR19%,p=0.11),この減少はIFG患者およびNFG患者と比して有意ではなかった。pravastatin群におけるすべての心血管イベントリスクは,糖尿病患者で52.7%から45.2%に低下(RRR21%,p<0.008),IFG患者で45.7%から37.1%に低下し(RRR26%,p=0.003),また脳卒中リスクは糖尿病患者で9.9%から6.3%に低下(RRR39%[CI 7~61%],p=0.02),IFG患者で5.4%から3.4%に低下した(RRR42%[CI -9~69%],p=0.09)。IFG患者およびNFG患者では,pravastatin投与による明らかな糖尿病発症抑制効果はみられなかった。また6年間のpravastatin投与により,IFG患者23例および糖尿病患者18例において1件の主要なCHDイベントが抑制された。
本試験と他の主要試験(CARE,4S)のメタアナリシスを行ったところ,糖尿病患者およびIFG患者では心血管イベントのリスクが増大しており,pravastatin投与はこれらのリスクを顕著に低下させることが示された。
●結論 CHDを有する糖尿病患者またはIFG患者において,pravastatinによる脂質低下療法は,脳卒中を含む心血管イベントを抑制することが示された。