編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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New JP, Mason JM, Freemantle N, Teasdale S, Wong LM, Bruce NJ, Burns JA, Gibson JM: Specialist nurse-led intervention to treat and control hypertension and hyperlipidemia in diabetes (SPLINT): a randomized controlled trial. Diabetes Care 2003; 26: 2250-2255. [PubMed]

わが国でも,日本糖尿病学会による糖尿病療養指導士制度が発足・運用され,認定者数は毎年増えている。しかし,その資格が各種医療機関において有効に運用されているかといえば,まだイエスとはいえない状況にある。本論文は,このような指導士による患者指導の有効性についてきっちりとした検討を行った数少ない研究報告である。糖尿病療養指導士についても同様の報告が積み重ねられることにより,療養指導士に対する理解が深められ,治療に還元できるようになるものと思われる。【河盛隆造

●目的 通院中の糖尿病患者において,高血圧および高脂血症に関する専門看護師による患者指導の有効性を検討した。
一次アウトカムは専門看護師の患者指導による降圧目標および総コレステロール(TC)目標値の達成率。
●デザイン 無作為。
●試験期間 追跡期間は1年。
●対象患者 1407例:高血圧(≧140/80mmHg)またはTC高値(≧193.5mg/dL),あるいはその両方を認める糖尿病患者。
●方法 高血圧例および高脂血症例を,それぞれ通常治療群(629例),患者指導群(778例)にランダム化。1年後の血圧値とTC値,および生存状況を調査。
・通常治療群:高血圧または高脂血症に対する通常の治療を実施。
・患者指導群:通常の治療に加え,専門看護師による高血圧または高脂血症に関する患者指導(ガイドラインに基づいた生活指導および薬剤の用量調整)を,目標達成(<140/80mmHgまたは<193.5mg/dL)まで4~6週ごとに実施。
●結果 専門看護師による患者指導は,1年後の目標達成率を有意に改善した(37.2 vs. 30.7%,オッズ比[OR]1.37,95%CI 1.11-1.69,p=0.003)。全例を対象とした解析では,各患者指導間(高血圧または高脂血症)の差は明確ではなかったが(p=0.06),高血圧例(1014例)および高脂血症例(683例)をそれぞれ別に解析したところ,高脂血症に関する患者指導(OR 1.69,95%CI 1.25-2.29,p=0.0007)は,高血圧に関する患者指導(OR 1.14,95%CI 0.86-1.51,p=0.37)に比して顕著な有効性をもたらすことが示された。いずれの患者指導も,全死亡率を有意に低下させた(3.2 vs. 5.7%,OR 0.55,95%CI 0.32-0.92,p=0.02)。
●結論 本試験により,通院中の糖尿病患者において,病院での通常治療に加えて専門看護師による患者指導を実施することの有効性が示された。National Service Framework for Diabetesの推奨する標準的治療を達成するためには,このように有効性の証明された患者指導などを用いる必要がある。