編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Rubins HB, Robins SJ, Collins D, Nelson DB, Elam MB, Schaefer EJ, Faas FH, Anderson JW: Diabetes, plasma insulin, and cardiovascular disease: subgroup analysis from the Department of Veterans Affairs high-density lipoprotein intervention trial (VA-HIT). Arch Intern Med 2002; 162: 2597-2604. [PubMed]

DECODE試験により心血管イベントとブドウ糖負荷後の血糖値との関連が指摘され,現在では食後血糖値の重要性が認識されている。本試験では,非糖尿病例の空腹時インスリン高値の重要性が示された。【景山 茂

●目的 耐糖能およびインスリン抵抗性の程度が異なる冠動脈心疾患(CHD)を有する男性において,血糖値およびインスリン値と心血管イベントとの関係を検討し,gemfibrozil(フィブラート)の心血管イベントに対する有効性を検討した。
エンドポイントは重篤な心血管イベント(CHD死,脳卒中,または非致死性心筋梗塞)。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は平均5.1年。
●対象患者 2517例:VA-HIT登録患者(HDL-C低値でCHDを有する男性2531例,<74歳)のうち,ベースライン時に空腹時血漿ブドウ糖(FPG)値の得られた例。
登録基準:HDL-C値≦40mg/dL。LDL-C値≦140mg/dL。トリグリセリド値≦300mg/dL。
除外基準:warfarin投与中。慢性心疾患。左室駆出率<35%。
●方法 患者をgemfibrozil(1200mg/日)群とプラセボ群にランダム化。
病歴およびベースライン時のFPG値に基づき,対象患者を,既知の糖尿病例(627例),新規糖尿病例(142例),空腹時血糖異常例(323例),正常例(1425例)に分類した。
●結果 本解析はVA-HITのサブグループ解析として実施された。
プラセボ群の解析では,重篤な心血管イベントのリスクは,正常例に比して既知の糖尿病例(ハザード比[HR]1.87,95%CI 1.44-2.43,p=0.001)および新規糖尿病例(HR 1.72,95%CI 1.10-2.68,p=0.02)で有意に増大していた。また非糖尿病例(空腹時血糖異常例および正常例)のなかでは,空腹時血漿インスリン(FPI)値が上位1/4(≧39μU/mL)の症例で,重篤な心血管イベントのリスクが31%増大していた(HR 1.31,95%CI 1.03-1.66,p=0.03)。
gemfibrozil投与により,重篤な心血管イベントのリスクは,糖尿病例で32%低下(HR 0.68,95%CI 0.53-0.88,p=0.004),非糖尿病例で18%低下し(HR 0.82,95%CI 0.67-1.02,p=0.07),低下の程度は糖尿病例でより大きかった。特にCHD死(HR 0.59,95%CI 0.39-0.91,p=0.02)および脳卒中(HR 0.60,95%CI 0.37-0.99,p=0.046)については,糖尿病例で顕著なリスク低下を認めた。非糖尿病例のなかでは,FPI値が上位1/4の症例でgemfibrozilの有効性が最も高く,重篤な心血管イベントのリスクは35%低下した(HR 0.65,95%CI 0.43-0.97,p=0.04)。
●結論 HDL-C低値でCHDを有する男性において,gemfibrozil投与により糖尿病例およびFPI高値の非糖尿病例における重篤な心血管イベント発生が抑制された。