編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年1月現在,1144報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Wachtell K, Ibsen H, Olsen MH, Borch-Johnsen K, Lindholm LH, Mogensen CE, Dahlof B, Devereux RB, Beevers G, de Faire U, et al: Albuminuria and cardiovascular risk in hypertensive patients with left ventricular hypertrophy: the LIFE study. Ann Intern Med 2003; 139: 901-906. [PubMed]

アルブミン尿が心血管疾患の独立したリスクになることは,多くの成績で示されている。今回のLIFE試験の結果でも同様のことが確認された。そして,従来より少ないアルブミン尿,すなわち正常アルブミン尿の範囲から心血管疾患が直線的に増加することが示されたことは重要である。【片山茂裕

●目的 左室肥大を有する高血圧患者において,アルブミン尿と心血管リスクとの関係を検討した。
一次複合エンドポイントは心血管死,致死性または非致死性脳卒中,致死性または非致死性心筋梗塞(MI)。二次エンドポイントは全死亡,複合エンドポイントの個々のイベント。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は中央値4.8年(39122人・年)。
●対象患者 8206例:LIFEの登録患者(左室肥大を有する高血圧患者)のうち,ベースライン時に尿中アルブミン・クレアチニン比(UACR)のデータが得られた例。55~80歳(平均66歳)。非糖尿病患者7143例,糖尿病患者1063例。
登録基準:座位SBP160~200mmHgまたは座位DBP95~115mmHg。ランダム化時に降圧薬を投与されていない。
除外基準:過去6ヵ月のMIまたは脳卒中。うっ血性心不全または左室駆出率<40%。腎不全。AII受容体拮抗薬(losartanまたは他の薬剤),β遮断薬(atenololまたは他の薬剤),利尿薬hydrochlorothiazide,ACE阻害薬の投与を要すると判断された者。
●方法 患者をlosartan群およびatenolol群にランダム化。
UACRより糸球体透過性を評価。糖尿病の有無およびUACR分類(非糖尿病患者では10分類,糖尿病患者では5分類)について,各エンドポイントのハザード比を比較。
●結果 非糖尿病患者では,複合エンドポイントのリスクはUACRの増加に伴って持続的に増大し(p<0.001 for trend),そのリスクの増大に特定の閾値は認められなかった。非糖尿病患者におけるUACRが10倍に増加すると,各エンドポイントのハザード比の増大は,複合エンドポイント57%(95%CI[以下同]40.6-75.0%),心血管死97.7%(66.5-235.0%),全死亡75.2%(54.0-99.4%),脳卒中51.0%(28.8-76.9%),MI 45%(19.9-75.4%)であった(いずれもp<0.001)。
糖尿病患者では,MIについてはUACRの増加に伴うリスク増大傾向が弱く,有意ではなかったものの,その他のエンドポイントについては,非糖尿病患者と同様にUACRの増加に伴って持続的で有意な増大傾向を示した。
●結論 左室肥大を有する高血圧患者において,UACRの増加により心血管疾患および心血管死のリスクが増大した。その増加には閾値やプラトーは認められなかった。心血管リスクの増大は,これまで糖尿病患者で報告されてきたUACRの値よりもかなり低値の状態から認められることが示された。