編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Gale EA, Bingley PJ, Emmett CL, Collier T, European Nicotinamide Diabetes Intervention Trial (ENDIT) Group: European Nicotinamide Diabetes Intervention Trial (ENDIT): a randomised controlled trial of intervention before the onset of type 1 diabetes. Lancet 2004; 363: 925-931. [PubMed]

小規模研究でnicotinamideに1型糖尿病の発症予防効果があると報告されたため(Diabetes Care 1996; 19: 1357-1363),立案・実行された大規模臨床研究であるが,ドイツで行われたDENIS試験と同様,有意な予防効果は認められなかった。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者の一親等親族において,高用量nicotinamide投与による1型糖尿病の発症予防または遅延効果を検討した。
一次アウトカムはWHO基準による糖尿病発症。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(欧州18ヵ国,カナダ,米国),intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は1994年6月~1998年5月。試験期間は5年。
●対象患者 552例:20歳以前に発症した1型糖尿病患者の一親等親族。3~40歳。
登録基準:膵島細胞抗体(ICA)値≧20 JDF-U(Juvenile Diabetes Federation Units)。
除外基準:アウトカム,薬剤の毒性,プロトコール遵守に影響を及ぼす慢性疾患。授乳中,妊娠中,妊娠可能な年齢で適切な避妊を実施していない女性。nicotinamideを含むビタミン剤の服用。OGTTによる糖尿病所見。
●方法 患者を年齢(<20歳,≧20歳)および国別に層別化し,経口徐放性nicotinamide(1.2~3g/m²/日)群(276例)およびプラセボ群(276例)にランダム化し,5年投与。1型糖尿病の発症状況を追跡した。
●結果 糖尿病発症に関して両群間に差は認められなかった。追跡期間中に糖尿病を発症したのは159例(nicotinamide群82例[30%],プラセボ群77例[28%])であった。
糖尿病発症のハザード比は,未補正では1.07(95%CI 0.78-1.45,p=0.69),試験開始時の年齢,ベースライン時の耐糖能,自己抗体数を補正後は1.01(95%CI 0.73-1.38,p=0.97)であった。
脱落例は168例(30.4%)で,うち83例はプラセボ群であった。重篤な有害事象に関して両群間に差は認められなかった(18 vs 15件)。
小児(<20歳)の身長(p=0.71)および体重(p=0.64),または第1相インスリン反応(p=0.81)に関しても両群間に有意差はみられず,nicotinamideがそれらに影響を及ぼさないことが示された。
●結論 1型糖尿病の発症予防に関する大規模試験は実施可能であることが示されたが,本試験で設定された用量のnicotinamideでは,1型糖尿病の発症予防効果は認めなかった。