編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Borghi C, Bacchelli S, Esposti DD, Ambrosioni E, SMILE Study: Effects of the early ACE inhibition in diabetic nonthrombolyzed patients with anterior acute myocardial infarction. Diabetes Care 2003; 26: 1862-1868. [PubMed]

心筋梗塞発症後,比較的早期にACE阻害薬を投与した場合,糖尿病患者で非糖尿病患者に比べてその有効性が高いことは,GISSI-3,SAVE,TRACEなどで報告されているが,GISSI-3を除いて必ずしも有意差には達していない。
SMILE試験では,心筋梗塞発症後の患者で,退院から6週間のACE阻害薬の投与により,早期のイベント抑制効果が糖尿病患者でより有効性が高いことが示された。しかしながら,1年後の死亡率には差がなくなることより,長期にACE阻害薬を投与する必要性が示唆された。【片山茂裕

●目的 前壁急性心筋梗塞(MI)を発症した糖尿病患者において,ACE阻害薬zofenoprilの有効性を検討した。
一次エンドポイントは6週後の死亡および重度うっ血性心不全(CHF)。二次エンドポイントは6週後の主要心血管イベント,1年後の生存率。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設(イタリア),intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は1年。
●対象患者 1512例:SMILEの登録患者(発症後24時間以内で血栓溶解療法を施行していない前壁急性MI患者)のうち,糖尿病の有無に関するデータの得られた例。18~80歳。
除外基準:Killipクラス分類IV。重度の低血圧(SBP<100mmHg)。血清クレアチニン値>2.5mg/dL。CHFの既往。ACE阻害薬投与下またはACE阻害薬に対する禁忌。
●方法 患者を,zofenopril 60mg/日(分2)群(初回投与量7.5mg)およびプラセボ群にランダム化し,退院から6週後まで投与。全例に従来の治療を実施し,試験薬投与終了後も48週後まで継続。
●結果 本解析はSMILEの事後解析として実施された。
糖尿病患者は303例(zofenopril群139例,プラセボ群164例),非糖尿病患者は1209例(zofenopril群602例,プラセボ群607例)であった。
糖尿病患者においては,zofenopril群でプラセボ群に比して,6週後の一次エンドポイント(8.6 vs 18.3%,p=0.019)および重度CHF(0 vs 7.3%,p=0.001)が有意に減少したが,非糖尿病患者では有意な減少は認められず,zofenoprilの有効性は糖尿病患者でより大きかった。
しかし,1年後の死亡率については,非糖尿病患者ではzofenopril群で有意な低下がみられたものの(9.1 vs 13.8%,p=0.010),糖尿病患者では有意差に至らなかった(13.7 vs 16.5%,p=0.52)。
●結論 MIを発症した糖尿病患者の臨床アウトカムは,zofenoprilの早期投与により有意な改善が可能であることが示唆された。しかし,1年後の死亡率の改善効果が小さかったことから,ACE阻害薬の有効性を維持するためには,長期投与が必要であることが示唆される。