編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hamann A, Matthaei S, Rosak C, Silvestre L, HOE901/4007 Study Group: A randomized clinical trial comparing breakfast, dinner, or bedtime administration of insulin glargine in patients with type 1 diabetes. Diabetes Care 2003; 26: 1738-1744. [PubMed]

1型糖尿病の基礎インスリン補充にglargineを使用した場合の,注射時間の差による安全性と有効性を検討した研究である。いかなる時間に注射しても,その効果と安全性に差がないという結論である。実際に日本でもglargineは2003年末に使用が開始され,その成績が集積されつつあるが,症例によっては必ずしも24時間効果が持続するとはいえず,本研究の結果をそのまま日本で治療に反映させるのはいささか危険である。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者において,インスリンglargineの朝食前投与,夕食前投与,就寝時投与の有効性を比較した。
一次評価指標はHbA1c値,二次評価指標は24時間血糖値,低血糖,インスリン投与量,応答者(HbA1c値<7.0%)の割合。
●デザイン 無作為,オープン,パラレル,多施設。
●試験期間 試験期間は24週。
●対象患者 378例:基礎ボーラス治療を実施されている1型糖尿病患者。18~68歳(平均40.9±11.9歳),平均罹病期間17.3±11.5年。HbA1c値5.5~9.8%。
●方法 1~4週のスクリーニング期間後,患者をインスリンglargine朝食前投与群(121例),夕食前投与群(128例),就寝時投与群(129例)にランダム化し,24週投与。
・スクリーニング期間は,それまでのインスリン治療を継続。
・投与量は朝食前血糖値が4.4~6.7mmol/Lとなるよう調整。
・全例にインスリンlisproを食前または食直後に投与。
●結果 ベースライン時の1日のインスリン総投与量(中央値)は3群で同等であり(朝食前投与群0.65IU/kg,夕食前投与群0.65IU/kg,就寝時投与群0.66IU/kg),これは試験期間を通じてほぼ持続したが,インスリンglargineの占める割合(インスリンglargine投与量/総投与量)の増加度は,朝食前投与群で他の2群に比して高かった(それぞれ42%→51%,44%→47%,43%→45%)。
ベースライン時からエンドポイント時までの平均HbA1c値(補正後)の減少度(それぞれ7.6%→7.4%,7.6%→7.5%,7.6%→7.5%),およびエンドポイント時にHbA1c値<7.0%を達成した患者の割合(それぞれ29.5%,29.8%,25.8%)は3群で同等であった。24時間血糖値プロファイルも3群で同等であった。
症候性低血糖および重度の低血糖に関して3群間に差は認められなかったが,夜間低血糖の発生率は,朝食前投与群(59.5%)で夕食前投与群(71.9%)および就寝時投与群(77.5%)に比し有意に低かった(p=0.005)。
●結論 インスリンglargineの朝食前投与,夕食前投与,就寝時投与とインスリンlisproの併用は,安全かつ有効であり,投与時間に影響されないことが示唆された。