編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年7月現在,1168報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Gurm HS, Lincoff AM, Lee D, Tang WH, Jia G, Booth JE, Califf RM, Ohman EM, Van de Werf F, Armstrong PW, et al: Outcome of acute ST-segment elevation myocardial infarction in diabetics treated with fibrinolytic or combination reduced fibrinolytic therapy and platelet glycoprotein IIb/IIIa inhibition: lessons from the GUSTO V trial. J Am Coll Cardiol 2004; 43: 542-548. [PubMed]

糖尿病患者では非糖尿病患者に比べ,心血管系疾患が高率に起き,その予後も悪いことが知られている。抗血栓薬とGP IIb/IIIa受容体拮抗薬の併用は,抗血栓薬単独に比べ,長期予後は改善しなかったものの,短期の再梗塞や虚血再発率を減少させた。わずかではあるが,糖尿病患者の心筋梗塞治療における進歩といえるかもしれない。【片山茂裕

●目的 ST上昇を伴う急性心筋梗塞(MI)患者において,糖尿病例と非糖尿病例のアウトカムを比較し,それらのアウトカムに対する抗血栓薬reteplase(半分量)およびGP IIb/IIIa受容体拮抗薬abciximabの併用療法と標準的な血栓溶解療法の有効性を比較した。
一次エンドポイントは30日後の全死亡率。
●デザイン 無作為。
●試験期間 登録期間は1999年7月~2001年2月。追跡期間は1年。
●対象患者 16415例:GUSTO Vの登録患者(ST上昇を伴うMI患者)。糖尿病例2633例,非糖尿病例13782例。
●方法 糖尿病例および非糖尿病例のアウトカムを比較。また,糖尿病例において,reteplase+abciximab併用群(1334例)とreteplase群(1299例)のアウトカムを比較。
・reteplase+abciximab併用群:reteplase 5Uを30分間隔で2回ボーラス投与+abciximab 0.25mg/kgボーラス投与後に0.125μg/kg/分(最大10μg/分)で12時間注入。
・reteplase群:reteplase 10Uを30分間隔で2回ボーラス投与。
●結果 糖尿病例では非糖尿病例に比して,30日後の死亡率(8.5 vs 5.1%,p<0.001)および1年後の死亡率(12.7 vs 7.5%,p<0.001)が有意に高かった。
糖尿病例におけるreteplase+abciximab併用群とreteplase群の比較では,30日後の死亡率(8.2 vs 8.8%,p=0.52)および1年後の死亡率(12.4 vs 13.0%,p=0.62)に関して有意差はみられなかったが,7日後の再梗塞率(2.5 vs 4.3%,p=0.013)および虚血再発率(11.8 vs 14.9%,p=0.017)は併用群で有意に低く,7日後の緊急血行再建術施行率(10.9 vs 13.3%,p=0.055)も併用群で低い傾向が認められた。
●結論 糖尿病例では非糖尿病例に比して,MI発症後の不良なアウトカムの発生が持続する傾向が認められた。reteplase+abciximab併用療法は糖尿病例の生存率を改善しなかったものの,非致死性の虚血性アウトカム(再梗塞,虚血再発,緊急血行再建術)を大幅に減少させた。