編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Genest J, Frohlich J, Steiner G: Effect of fenofibrate-mediated increase in plasma homocysteine on the progression of coronary artery disease in type 2 diabetes mellitus. Am J Cardiol 2004; 93: 848-853. [PubMed]

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●目的 脂質代謝異常を有する2型糖尿病患者において,抗高脂血症薬fenofibrateの血漿ホモシステイン値に対する効果を検討するとともに,この効果が冠動脈疾患(CAD)の進展およびその他の臨床イベントに及ぼす影響を検討した。
一次エンドポイントは平均セグメント径,最小内腔径,狭窄度。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設(カナダ,フィンランド,フランス,スウェーデン)。
●試験期間 追跡期間は3年以上(平均39ヵ月)。
●対象患者 418例:軽度の脂質代謝異常を有し,コントロール良好な中年の2型糖尿病患者。40~65歳。
●方法 患者をfenofibrate (200mg/日)群(207例)とプラセボ群(211例)にランダム化。
ベースライン時および試験終了時に血漿ホモシステイン値,血漿葉酸値,血漿ビタミンB12値を測定。ベースライン時および試験終了時に血管造影を実施して平均セグメント径,最小内腔径,狭窄度を評価。治療終了6ヵ月後まで臨床イベント(脳卒中,心筋梗塞,CABG,PTCA,狭心症による入院,全死亡)の発生を追跡。
●結果 fenofibrate群ではプラセボ群に比して,ホモシステイン値が55%増加した(p<0.001)。このホモシステイン値の増加は主としてfenofibrateによるもので,ホモシステイン値に対する調節作用が知られている因子(ビタミンB12,葉酸,腎機能)の変化は関与していなかった。
fenofibrate群におけるホモシステイン値とCADの関係を検討したところ,ベースライン時のホモシステイン値はベースライン時の狭窄度と有意な相関を示した(r=0.111,p=0.028)。また,ベースライン時のホモシステイン値が高値であるほどfenofibrateの効果は減弱したが,試験終了時のホモシステイン値による減弱は認められなかった。予想に反し,全例の検討では試験終了時のホモシステイン値はCADの進展と負の相関を示した(r=-0.111,p=0.031)。fenofibrate群では,ホモシステイン値と最小内腔径および狭窄度との間に有意な相関は認めなかった(r=-0.135,p=0.069)。
fenofibrate群では,追跡期間中に臨床イベントが発生した症例と発生しなかった症例で試験終了時のホモシステイン値に差は認められず,ホモシステイン値の増加は臨床イベントと相関しないことが示された。
●結論 fenofibrate投与によるホモシステイン値の増加は,CADの進展および他の臨床イベントに対するfenofibrateの効果を減弱させないことが示された。