編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Williams JW, Katon W, Lin EH, Noel PH, Worchel J, Cornell J, Harpole L, Fultz BA, Hunkeler E, Mika VS, et al: The effectiveness of depression care management on diabetes-related outcomes in older patients. Ann Intern Med 2004; 140: 1015-1024. [PubMed]

糖尿病患者の5~10%に抑うつ症状が認められる。今回の検討では,抑うつ症状に対する積極的なケアは,精神面や機能面での改善をもたらした。しかしながら,血糖コントロールの改善は認められず,今後さらなる検討が必要である。【片山茂裕

●目的 抑うつ症状を有する高齢の糖尿病患者において,抑うつ症状の積極的ケアが精神面,機能面,糖尿病関連のアウトカムを改善するかを検討した。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間 登録期間は1999年7月~2001年8月。追跡期間は12ヵ月。
●対象患者 417例:IMPACTの参加者(≧60歳で重度の抑うつ症状または気分変調障害を有する患者1801例)のうち糖尿病症例。
除外基準:アルコール依存症,双極性障害または精神疾患の既往,精神科で治療中,重度の認識障害。
●方法 患者を介入群(212例)と通常ケア群(205例)にランダム化。
・介入群:抑うつ症状に対する専門医と対象患者のかかりつけ医が共同で,IMPACTアルゴリズムに従って治療を実施。糖尿病治療については,特に介入しない。
ベースライン時,3,6,12ヵ月後に,抑うつ症状の重症度(0~4ポイント),全般的機能障害(0~10ポイント),糖尿病のセルフケアを評価。また293例について,ベースライン時,6,12ヵ月後にHbA1c値を測定。それらの評価項目を両群間で比較した。
●結果 12ヵ月後,介入群では通常ケア群に比して,抑うつ症状の重症度が低く(群間差-0.43ポイント,95%CI -0.57~-0.29,p<0.001),全般的機能障害の改善度が大きかった(群間差-0.89ポイント,95%CI-1.46~-0.32)。また,介入群では通常ケア群に比して,1週あたりの運動実施日数が増加したが(群間差0.50日,95%CI 0.12~0.89,p=0.001),他のセルフケア項目に差はみられなかった。
ベースライン時の平均HbA1c値は7.28±1.43%で,12ヵ月後も有意な変化はみられなかった(p>0.2)。これはベースライン時の血糖コントロールが良好であったため,HbA1c値の改善に対する検出力が小さかったことによると思われる。
●結論 抑うつ症状を有する高齢の糖尿病患者において,抑うつ症状の積極的ケアにより精神面および機能面での改善が得られた。しかし,血糖コントロールが良好な患者では,糖尿病関連のアウトカムへの影響は小さいことが示された。