編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Moussa I, Leon MB, Baim DS, O'Neill WW, Popma JJ, Buchbinder M, Midwall J, Simonton CA, Keim E, Wang P, et al: Impact of sirolimus-eluting stents on outcome in diabetic patients: a SIRIUS (SIRolImUS-coated Bx Velocity balloon-expandable stent in the treatment of patients with de novo coronary artery lesions) substudy. Circulation 2004; 109: 2273-2278. [PubMed]

糖尿病患者においても非糖尿病患者と同様に,免疫抑制薬であるrapamycinの溶出ステントが再狭窄の予防に有用であった。しかし,インスリン自己注射中の糖尿病患者ではその効果がやや弱く,ステントを埋め込んだ分枝の再狭窄率が高いことは,今後の検討を要する課題である。【片山茂裕

●目的 免疫抑制薬sirolimus(rapamycin)溶出ステント(SES)留置によるアウトカムを糖尿病患者および非糖尿病患者で比較した。
一次エンドポイントは標的血管不全(心臓死,Q波および非Q波心筋梗塞,標的血管の血行再建術)。二次エンドポイントは全死亡,標的病変の血行再建術(TLR),ステント内血栓。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は9ヵ月。
●対象患者 1057例:安定または不安定狭心症の既往を有し,心筋虚血の徴候が認められる患者。うち糖尿病例279例,非糖尿病例778例。
登録基準:冠動脈の新規病変長15~30mm。
●方法 患者を,SES群(糖尿病例131例,非糖尿病例402例)およびベアメタルステント(BMS)群(糖尿病例148例,非糖尿病例376例)にランダム化。
エンドポイントおよびすべての主要有害心イベント(MACE)の発生を追跡。
●結果 270日後における標的血管不全は,糖尿病例(BMS群27.0% vs SES群12.2%,p=0.003)および非糖尿病例(18.6 vs 7.7%,p<0.001)ともに,BMS群に比してSES群で有意に減少した。これは主としてTLRが減少したことによるものであった(糖尿病例22.3 vs 6.9%[p<0.001],非糖尿病例14.1 vs 2.99%[p<0.001])。またMACEも,糖尿病例(25 vs 9.2%,p<0.001)および非糖尿病例(16.5 vs 6.5%,p<0.001)ともにSES群で有意に減少した。
SES群内の比較では,糖尿病例では非糖尿病例に比して,有意ではないものの,TLRのない生存率が低い傾向が認められた(p=0.06)。また,糖尿病例についてインスリン投与の有無により比較すると,インスリン非投与例ではBMS群に比してSES群でTLRが有意に減少していたのに対し(23.1 vs 4.3%,p<0.001),インスリン投与例のSES群では有意な減少は認められなかった(20.5 vs 13.2%,p=0.56)。
●結論 糖尿病の有無にかかわらず,冠動脈の新規病変に対するSES留置は,BMS留置に比してTLRおよびMACEを有意に減少させることが示された。しかし,SES を留置された糖尿病例(とくにインスリン投与例)では,非糖尿病例に比してTLRが多い傾向が認められた。