編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Papaioannou GI, Seip RL, Grey NJ, Katten D, Taylor A, Inzucchi SE, Young LH, Chyun DA, Davey JA, Wackers FJ, et al: Brachial artery reactivity in asymptomatic patients with type 2 diabetes mellitus and microalbuminuria (from the Detection of Ischemia in Asymptomatic Diabetics-brachial artery reactivity study). Am J Cardiol 2004; 94: 294-299. [PubMed]

本検討では,冠動脈疾患のない糖尿病患者にも血管内皮細胞の障害が存在することが示された。そして,微量アルブミン尿が内皮細胞障害やC反応性蛋白と相関を示した。【片山茂裕

●目的 無症候性2型糖尿病患者において,微量アルブミン尿と血管反応性障害(上腕動脈の内皮依存性・非依存性の血管拡張障害)の関係を検討した。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間 -
●対象患者 143例:DIADの参加者(冠動脈疾患を認めない無症候性2型糖尿病患者)のうち,上腕動脈の反応性を測定された例。男性85例。50~75歳(平均60.0±6.7歳)。平均罹病期間8.2±7.4年。
除外基準:冠動脈疾患,心機能検査を要する徴候または症状,過去3年以内の負荷試験または心カテーテル検査の実施,余命に影響を及ぼす重度の疾患(糖尿病以外),妊娠,コンプライアンス不良が予想される者,重度の気管支痙攣またはその既往。
●方法 対象患者を,微量アルブミン尿(尿中アルブミン・クレアチニン比[ACR]30~299μg/mgCr)例(28例)と正常アルブミン尿(ACR 0~29.9μg/mgCr)例(115例)に分類。
高解像度超音波検査を実施し,上腕動脈の内皮依存性血管拡張(閉塞1分後および3分後)および非依存性血管拡張(nitroglycerin投与3分後および5分後)を評価。うち74例について,全身性炎症マーカーとしてC反応性蛋白を測定。
●結果 両例のベースライン時の患者背景は,微量アルブミン尿例で糖尿病罹病期間が有意に長い(p=0.03)ことを除いてほぼ同様であった。
内皮依存性血管拡張は,1分後(p=0.01)および3分後(p=0.04)ともに,微量アルブミン尿例で有意に小さかった。内皮非依存性血管拡張も,3分後(p=0.007)および5分後(p=0.005)ともに,微量アルブミン尿例で有意に小さかった。正常な内皮依存性血管拡張のカットオフ値を≧8%とした場合,微量アルブミン尿例の96%,正常例の76%で1分後の内皮依存性血管拡張が障害されていた(p=0.01)。
微量アルブミン尿は,全例の検討(p=0.045)およびホルモン補充療法実施例を除外した検討(p=0.01)において,内皮依存性血管拡張の独立した予測因子であった。また,内皮非依存性血管拡張についても,ホルモン補充療法実施例を除外すると,微量アルブミン尿は独立した予測因子であった(p=0.026)。C反応性蛋白は,微量アルブミン尿例で有意に高値であった(p=0.02)。
●結論 無症候性2型糖尿病患者において,微量アルブミン尿は上腕動脈の内皮依存性・非依存性の血管拡張障害および全身性炎症の増大と相関を示した。さらに微量アルブミン尿は,無症候性2型糖尿病患者(とくにホルモン補充療法を実施されていない患者)における内皮障害の独立した予測因子であった。