編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ilanne-Parikka P, Eriksson JG, Lindstrom J, Hamalainen H, Keinanen-Kiukaanniemi S, Laakso M, Louheranta A, Mannelin M, Rastas M, Salminen V, et al: Prevalence of the metabolic syndrome and its components: findings from a Finnish general population sample and the Diabetes Prevention Study cohort. Diabetes Care 2004; 27: 2135-2140. [PubMed]

WHOの定義によるメタボリックシンドロームの頻度は,男性で約40%,女性で約20%と,きわめて高い。とくにIGT例では約70%に達し,今後IGT例の肥満・糖および脂質代謝異常・高血圧の早期からのトータルケアが重要となるであろう。【片山茂裕

●目的 フィンランドで実施された2試験の中年のコホートにおいて,メタボリックシンドロームの有病率を検討した。
●デザイン 疫学。
●試験期間 -
●対象患者 FINRISKの参加者(25~64歳,フィンランドの4地域から無作為に選出された8000例)のうち,45~64歳で,1型糖尿病を認めず,糖代謝に関するデータが得られた2049例,およびDPSの参加者(40~65歳,過体重[BMI≧25kg/m²]の耐糖能異常[IGT]例)522例。
●方法 インスリン抵抗性を有する正常耐糖能例,空腹時血糖異常(IFG)例,IGT例,糖尿病例のいずれかに該当し(いずれもWHO基準),かつ肥満,高血圧,脂質代謝異常のうち2つ以上を有する場合をメタボリックシンドロームとし,その有病率を男女別に評価した。
●結果 FINRISKのコホートにおけるメタボリックシンドロームの有病率は,男性38.8%,女性22.2%と男性で有意に高かった(p<0.001)。メタボリックシンドロームの各要素別にみても,肥満(男性79.8%,女性33.2%),高血圧(66.1%,54.9%),脂質代謝異常(52.4%,29.0%)といずれも男性で有意に高く,このうち肥満が男性で多い理由は,おもに腹部肥満(ウエストヒップ比高値:79.1%,21.8%)が多いことによるものであった。メタボリックシンドロームの有病率を耐糖能レベル別にみると,正常例は男性14.4%,女性10.1%,IFG例は74.0%,52.2%,IGT例は84.8%,65.4%,糖尿病例は91.5%,82.7%といずれも男性で高く,また耐糖能が低下するほど上昇した。女性における有病率は,加齢とともに有意に上昇していた(45~54歳16.5%,55~64歳27.9%;p<0.001)。
DPSのコホート(IGT例)においても,メタボリックシンドロームの有病率は男性78.4%,女性72.2%と男性で高かった。
●結論 中年のコホートにおいて,メタボリックシンドロームは非常に一般的に認められることが示された。男性で有病率が高いのは,おもにウエストヒップ比が高値であることが理由であった。男女とも,メタボリックシンドロームの有病率は糖代謝の低下とともに上昇していた。IGT例の約75%がメタボリックシンドロームを有していた。メタボリックシンドロームはアテローム性血管疾患の主要なリスク因子を含んでおり,また2型糖尿病に先行して発生するため,メタボリックシンドロームのすべての症状のコントロールを目標とした予防対策が必要である。