編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Niklason A, Hedner T, Niskanen L, Lanke J, Captopril Prevention Project Study Group: Development of diabetes is retarded by ACE inhibition in hypertensive patients--a subanalysis of the Captopril Prevention Project (CAPPP). J Hypertens 2004; 22: 645-652. [PubMed]

CAPPP試験では,captopril群で利尿薬/β遮断薬群に比して新規糖尿病発症が少ないことがすでに報告されている。今回は糖尿病発症のリスク因子の解析を行っている。既治療高血圧例では試験開始1年後から両群の糖尿病発症率が異なるのに対して,未治療高血圧例では試験開始4年後までは両群に差が認められない点は興味深い。【景山 茂

●目的 高血圧患者において,ACE阻害薬captopril治療と従来の降圧療法(利尿薬,β遮断薬)の糖尿病発症抑制効果を比較し,糖尿病発症のリスク因子を検討した。
●デザイン PROBE(Prospective Randomized Open Blinded Endpoint),多施設(スウェーデン,フィンランド)。
●試験期間 追跡期間は平均6.1年。
●対象患者 10413例:CAPPPの登録患者(25~66歳の高血圧[DBP≧100mmHg]患者10985例)のうち,ベースライン時に糖尿病を認めなかった例。うち未治療高血圧例5033例,既治療高血圧例5380例。
除外基準:二次性高血圧。血清クレアチニン値>150μmol/L。利尿薬および/またはβ遮断薬を要する疾病。
●方法 ベースライン時に糖尿病を認めなかった群のサブ解析である。
captopril群は50mgから投与開始し,目標血圧(仰臥位DBP≦90mmHg)に達するまで100mg/日まで増量,必要であれば利尿薬を併用。従来療法群は利尿薬(hydrochlorothiazide 25mg/日,bendrofluazide 2.5mg/日など)またはβ遮断薬(atenolol 50~100mg/日,metoprolol 50~100mg/日など)を目標血圧に達するまで至適用量を投与し,必要であれば両薬を併用。さらに必要であれば,両群においてCa拮抗薬を追加投与。
糖尿病の診断は1985年のWHO基準に拠った。不確かな場合はOGTTを行った。
●結果 すべての非糖尿病症例を対象としたintention-to-treat解析では,captopril群は従来療法群に比して糖尿病発症率がより低く(相対リスク[RR]0.86,95%CI 0.74-0.99),これは未治療高血圧例のみの解析でも同様であった(RR 0.78,95%CI 0.62-0.99)。
多変量解析によるすべての非糖尿病症例における糖尿病発症の予測リスク因子は,血糖値(p<0.001),BMI(p<0.001),Hb(p<0.001),年齢(p=0.008),SBP×未治療(ベースライン時のSBPと未治療例の交互作用:p<0.001),コレステロール値(p=0.001),高血圧治療歴(p<0.001)であった。これらのリスク因子に基づいて糖尿病発症リスクスコアを算出し,非糖尿病症例を3分割したところ,いずれにおいてもcaptopril群では従来療法群に比して糖尿病発症リスクが低下しており,特に高リスク患者群で最も有効性が大きかった。
未治療高血圧例と既治療高血圧例では糖尿病発症のリスク因子は異なり,両例に共通するリスク因子は血糖値,BMI,Hbのみであった。
●結論 captoprilによる降圧療法により,利尿薬および/またはβ遮断薬を用いた従来の降圧療法に比して,糖尿病発症リスクが低下した。