編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Iwashita M, Matsushita Y, Sasaki J, Arakawa K, Kono S, Kyushu Lipid Intervention Study (KLIS) Group: Relation of serum total cholesterol and other risk factors to risk of coronary events in middle-aged and elderly Japanese men with hypercholesterolemia: the Kyushu Lipid Intervention Study. Circ J 2004; 68: 405-409. [PubMed]

糖尿病患者が23.5%含まれる日本人男性にHMG-CoA還元酵素阻害薬pravastatin(10~20mg/日)投与あるいは従来治療(食事療法と運動療法が主体)を行って,冠動脈疾患の発症率を検討した成績である。高血圧よりも,治療経過中のTC高値(補正RR 2.07)や糖尿病(補正RR 2.02)が冠動脈疾患発症に関連していた。とくに中年男性では,糖尿病の寄与が高いことに注意すべきである。【片山茂裕

●目的 血清総コレステロール(TC)値の中等度上昇を認める日本人の中年(<65歳)および老年(≧65歳)男性において,冠動脈心疾患(CHD)イベントと血清TC値およびその他のリスク因子との関係を検討した。
エンドポイントはCHDイベント(致死性および非致死性心筋梗塞[MI],冠動脈バイパス術,冠動脈形成術,CHD死,突然死)。
●デザイン 多施設。
●試験期間 登録期間は1990年5月~1993年9月。追跡期間は平均5.03年(~1997年末)。
●対象患者 4349例:45~74歳で血清TC値≧220mg/dLの日本人男性。平均58.0歳,平均TC値253mg/dL。
除外基準:MI,冠動脈バイパス術,冠動脈形成術,脳卒中の既往。HDL-C値≧80mg/dL。余命に影響を及ぼす疾患(重度の腎障害または肝障害など)。
●方法 Cox比例ハザードモデルを用いて,臨床因子(ベースライン時および追跡時[3,6ヵ月後,その後1年ごと]の血清TC値,ベースライン時の血清HDL-C値,高血圧,糖尿病など)および生活習慣因子とCHDイベントリスクとの関係を,中年男性と老年男性に分けて評価。
●結果 追跡期間のCHDイベント発生は123件であった(MI 66件,冠動脈バイパス術11件,冠動脈形成術24件,CHD死7件,突然死15件)。
ベースライン時の血清TC値はCHDイベントリスクと有意な相関を認めなかったが,追跡時の血清TC高値(≧240mg/dL)はCHDイベントリスクの増大と相関し,これは中年男性(補正相対リスク[RR]1.59)に比して老年男性(補正RR 3.20)で顕著であった。血清HDL-C高値(≧60mg/dL)によるCHDイベントリスクの低下は中年男性においてのみわずかに認められたが(補正RR 0.69),有意ではなかった。糖尿病によるCHDイベントリスクの増大は,中年男性(補正RR 2.36)で老年男性(補正RR 1.46)に比して大きかった。高血圧および喫煙は,中年男性および老年男性のいずれにおいても,リスクとの有意な相関を認めなかった。
●結論 血清TC値の中等度上昇を認める日本人男性において,追跡時の血清TC値および糖尿病はCHDイベントの重要な予測因子であることが示された。