編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bruno G, Merletti F, Biggeri A, Bargero G, Ferrero S, Runzo C, Bruno G, Bruno G, Bruno G, Casale Monferrato Study: Metabolic syndrome as a predictor of all-cause and cardiovascular mortality in type 2 diabetes: the Casale Monferrato Study. Diabetes Care 2004; 27: 2689-2694. [PubMed]

糖尿病患者においてメタボリックシンドロームを有する比率が高いことは,他の報告と一致している。ただメタボリックシンドロームの有無では,全死亡率や心血管死に差がみられなかった。しかしながら,メタボリックシンドロームの1つの構成要素が加わるだけで,ハザード比がそれぞれ1.41倍,2.92倍となることは,糖尿病患者を管理するうえで重要な知見である。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,メタボリックシンドロームが従来の心血管リスク因子とは独立した全死亡および心血管死の予測能を有するかを検討した。
●デザイン 観察研究。
●試験期間 追跡期間は11年(中央値8.21年,10890.2人・年,1991年~2001年12月31日)。
●対象患者 1565例:イタリアのCasale Monferrato町在住の2型糖尿病患者。平均68.9歳。
●方法 多変量Cox比例ハザードモデルを用いて,ベースライン時(1991~1992年)におけるメタボリックシンドロームの有無およびリスク因子の数と,追跡期間中の全死亡および心血管死との関係を検討。
・メタボリックシンドロームはWHO基準に従い,以下のリスク因子を2つ以上有する場合とした:動脈圧≧140/90mmHgまたは降圧療法の実施;トリグリセリド値≧150mg/dLおよび/またはHDL-C値<35mg/dL(男性)または<39mg/dL(女性);ウェスト-ヒップ比>0.9(男性)または>0.85(女性)あるいはBMI>30kg/m²;尿中アルブミン排泄率≧20μg/分。
●結果 ベースライン時にメタボリックシンドロームを認めた患者は1186例で,その有病率は75.6%(95%CI 73.6-77.9%)であった。追跡期間中の死亡は685件で(メタボリックシンドローム例520件,非メタボリックシンドローム例165件),うち341件は心血管死であった(それぞれ256件,85件)。
年齢,性別,喫煙,総コレステロール値,冠動脈疾患を補正すると,メタボリックシンドローム例と非メタボリックシンドローム例では,全死亡(1.04[95%CI 0.86-1.26])および心血管死(1.04[95%CI 0.78-1.39])のハザード比はほぼ同等であった。しかし,メタボリックシンドロームのリスク因子を有する症例(リスク因子の数:1つ,2つ,>2つ)では,リスク因子のない症例(糖尿病のみの症例)に比して,全死亡および心血管死のハザード比が高く,これはとくにリスク因子を1つ有する症例の心血管死に関して顕著であった(2.92[95%CI 1.16-7.33])。
●結論 1)2型糖尿病患者におけるメタボリックシンドロームの有病率は高いこと(75.6%),2)メタボリックシンドロームは11年後までの全死亡および心血管死の予測能を持たないこと,3)メタボリックシンドロームのリスク因子を1つ有する糖尿病症例では,糖尿病のみの症例に比して心血管死リスクが2倍以上増大していること(従来のリスク因子を補正後)が示された。2型糖尿病患者において,メタボリックシンドロームの有無による全死亡および心血管死の予測能は,メタボリックシンドロームの1つのリスク因子による予測能を超えるものではなかった。