編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Carnethon MR, Loria CM, Hill JO, Sidney S, Savage PJ, Liu K, Coronary Artery Risk Development in Young Adults study: Risk factors for the metabolic syndrome: the Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) study, 1985-2001. Diabetes Care 2004; 27: 2707-2715. [PubMed]

多数の比較的若年者を平均13.6年観察し,メタボリックシンドロームの発症予測因子を検討した貴重な成績である。BMI高値がリスクとなることは,従来にも報告されている。炭水化物の過剰摂取や食物繊維の摂取不足に加えて,「飲酒習慣なし」がリスクに採択されたことは興味深い。適度な飲酒は,インスリン感受性を高めたり,HDL-Cを増加させるためかもしれない。【片山茂裕

●目的 メタボリックシンドロームと人口統計学的因子の関係を評価するとともに,メタボリックシンドローム発症に関する修正可能なリスク因子を検討した。
●デザイン 疫学,横断研究。
●試験期間 追跡期間は平均13.6年(1985~2001年)。
●対象患者 4192例:CARDIAの参加者(18~30歳,白人または黒人の男女5115例)のうち,ベースライン時にメタボリックシンドロームを認めない例。平均24.9歳。女性55%。黒人49%。
除外基準:妊娠。
●方法 ベースライン時に質問票調査および面談を実施し,人口統計学的因子(年齢,性別,人種),学歴,運動状況,喫煙状況などを調査。CARDIA Diet Historyをもとに過去28日の食事および飲酒状況を調査し,炭水化物,脂肪,食物繊維の摂取量を評価。身長および体重,BMI,ウェスト周,血糖値,脂質値,血圧を測定。7,10,15年後にメタボリックシンドロームの発症を評価。
・メタボリックシンドロームの評価はNCEP ATP III基準を用い,以下の3項目以上を満たす場合とした:空腹時血糖値≧6.1mmol/L;ウェスト周>88cm(女性)または>102cm(男性);SBP≧130mmHgまたはDBP≧85mmHg;トリグリセリド値≧1.7mmol/L;HDL-C値<1.3mmol/L(女性)または<1.04mmol/L(男性)。糖尿病または高血圧に対する薬物療法を実施されている者は,それぞれ血糖値および血圧に関する基準を満たすものとした。
●結果 追跡期間に575例がメタボリックシンドロームを発症し,年齢を補正した発症率は10.0/1000人・年であった。
メタボリックシンドロームのリスクは,年齢が5歳上がるごとに増大し(相対リスク[RR]1.32),黒人(RR 1.28)および学歴が高校以下の者(RR 1.66)で高かった。年齢,人種,性別を補正すると,ベースライン時のBMI高値(RR 1.89),飲酒習慣なし(RR 1.69:vs 1~3杯/日),炭水化物によるエネルギー摂取率上昇(RR 1.27~1.32),食物繊維の摂取量低下(RR 1.26~1.41)は,メタボリックシンドロームのリスクの有意な増大と相関していた。一方,運動は保護効果を示した(RR 0.84,95%CI 0.76-0.92)。すべての因子を補正すると,黒人(RR 0.73)および女性(男性のRR[vs 女性]1.55)におけるメタボリックシンドロームのリスクは低下した。年齢,人種,性別,体重増加,運動を補正後,メタボリックシンドロームのリスクは体重が4.54kg増加するごとに23%(95%CI 20-27%)増大し,定期的な運動により減少した(RR 0.49,95%CI 0.34-0.70)。
●結論 BMIおよび体重増加はメタボリックシンドロームの重要なリスク因子であり,このリスクは定期的な運動により減少した。