編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Yui Y, Sumiyoshi T, Kodama K, Hirayama A, Nonogi H, Kanmatsuse K, et al: Nifedipine retard was as effective as angiotensin converting enzyme inhibitors in preventing cardiac events in high-risk hypertensive patients with diabetes and coronary artery disease: the Japan Multicenter Investigation for Cardiovascular Diseases-B (JMIC-B) subgroup analysis. Hypertens Res 2004; 27: 449-456. [PubMed]

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●目的 冠動脈疾患(CAD)を有する日本人高血圧患者において,Ca拮抗薬nifedipine(徐放錠)とACE阻害薬の心イベント抑制効果を,糖尿病例と非糖尿病例で比較検討した。
一次エンドポイントは全心イベント(心臓死または突然死,新規あるいは再発の心筋梗塞,狭心症または心不全による入院,重篤な不整脈[心室頻拍,心室細動],冠インターベンション)。二次エンドポイントは脳血管イベント,腎不全増悪,非心血管イベント(癌),全死亡の複合イベント。
●デザイン 無作為,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は3年。
●対象患者 1650例:CADを有する高血圧患者。うち糖尿病例372例(23%)。
登録基準:CAD(試験前1年以内に実施された冠動脈造影[CAG]上の狭窄≧75%。CAG非実施例では,患者既往歴および診察,運動負荷心電図検査,心筋シンチグラフィの結果により心筋虚血が診断される場合)。高血圧(SBP≧160mmHgまたはDBP≧95mmHg,SBP≧150mmHgかつDBP≧90mmHg,または降圧薬治療)。
●方法 本解析は,JMIC-B試験のサブグループ解析として実施された。JMIC-B試験では,患者をnifedipine徐放錠20~40mg/日群(828例)およびACE阻害薬(enalapril 5~10mg/日,imidapril 5~10mg/日,lisinopril 10~20mg/日)群(822例)にランダム化し,3年投与。目標血圧(<150/90mmHg)に達しない場合,試験薬以外の降圧薬(α遮断薬またはβ遮断薬など)を併用。血圧および心拍を6ヵ月ごとに測定。抗狭心症作用が不十分のときには硝酸薬,β遮断薬を追加。
・本解析では,Cox比例ハザードモデルにより,両群のエンドポイント発生を糖尿病例(nifedipine群 199例,ACE阻害薬群173例)および非糖尿病例(629例,649例)で比較。
●結果 ベースライン時の血圧は,糖尿病例(nifedipine群147/82mmHg,ACE阻害薬群146/81mmHg)と非糖尿病例(147/82mmHg,145/82mmHg)で同等であった。治療期間(6~36ヵ月後)の平均血圧は,糖尿病例では両群で有意差を認めなかったが(138/76 vs 140/78mmHg),非糖尿病例ではnifedipine群で有意に低下した(136/77 vs 138/79mmHg,p<0.01)。
一次エンドポイント発生率は,糖尿病例では両群で有意差を認めず(15.08 vs 15.03%,相対リスク[RR]1.06,95%CI 0.61-1.84,p=0.838),非糖尿病例も同様であった(13.67 vs 12.33%,RR 1.04,95%CI 0.77-1.41,p=0.792)。
二次エンドポイント発生率についても同様の結果が得られた(糖尿病例:5.03 vs 5.20%,RR 0.89,95%CI 0.35-2.25,p=0.799;非糖尿病例:2.70 vs 2.47%,RR 1.07,95%CI 0.54-2.13,p=0.842)。
●結論 CADを有する高血圧患者において,糖尿病の有無にかかわらず,nifedipine徐放錠とACE阻害薬の心イベント抑制効果は同等であることが示された。