編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Cryer DR, Nicholas SP, Henry DH, Mills DJ, Stadel BV: Comparative outcomes study of metformin intervention versus conventional approach the COSMIC Approach Study. Diabetes Care 2005; 28: 539-543. [PubMed]

本試験は,metforminが米国で認可されるのに際し,FDAが課した市販後臨床試験である。本薬による有害事象発生率は他の経口血糖降下薬と差がなく,乳酸アシドーシスの発症もみられなかった。metforminの安全性が多数例で確認されたといえる。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,metformin(ビグアナイド)投与の安全性を検討した。
一次エンドポイントは重篤な有害事象(SAE),全死亡,入院。
●デザイン 無作為,オープン,パラレル,多施設(米国)。
●試験期間 試験期間は1年。
●対象患者 8732例:食事療法またはスルホニル尿素(SU)薬単独療法で良好なコントロールが得られない2型糖尿病患者。≧18歳。
登録基準:腎機能正常(血清クレアチニン値<1.5mg/dL[男性]および<1.4mg/dL[女性]またはクレアチニンクリアランス正常),肝機能正常(AST<正常上限の2倍),健康状態が概ね良好,代謝性アシドーシスの既往なし,経口血糖降下薬またはインスリンに対する過敏症なし。
●方法 ・一次割付け:患者を施設で層別化し,4:1の割合でmetformin群(7227例)と通常ケア群(1505例)にランダム化。metformin群では1000mg/日(分2)より投与開始し,必要に応じて500mg/週ずつ増量(最大2500mg/日[分3])。全例に食事指導を実施。
・二次割付け:過去の治療(食事療法,SU薬,その他)に基づいて,両群をさらに以下の5つのグループにランダム化。グループ1(metformin単独):metformin群の食事療法例,グループ2(非metforminの経口薬[主にSU薬またはチアゾリジンジオン系薬剤]単独):通常ケア群の食事療法例,グループ3(metformin+SU薬):metformin群のSU薬例,グループ4(metformin+非SU薬の経口薬):metformin群のその他の治療例,グループ5(インスリン±非metforminの経口薬,または非metforminの経口薬の併用):通常ケア群のSU薬例。経口薬単独で血糖コントロール不良の場合,グループ1はグループ3または4に,グループ2はグループ5に移行。
●結果 SAEの発生は,metformin群10.3%(95%CI[以下同]9.6-11.1%),通常ケア群11.0%(9.5-12.7%)で,両群で同等であった(p=0.431)。全死亡(1.1%[0.9-1.4%]vs 1.3%[0.8-2.0%],p=0.596)および入院(9.4%[8.8-10.1%]vs 10.4%[8.9-12.1%],p=0.229)についても両群で同等で,乳酸アシドーシスによる死亡および入院は皆無であった。二次割付けの各グループの比較でも,死亡率に差は認められなかった。
●結論 SAEの頻度は両群で同等で,乳酸アシドーシスは皆無であった。したがって,投与禁忌および警告に注意すれば,2型糖尿病患者に対するmetformin投与は安全であることが示された。また本試験から,シンプルな大規模試験が一般的な疾病における治療のリスク評価に有用であることが示された。