編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Haffner SM, Agostino RD, Saad MF, O'Leary DH, Savage PJ, Rewers M, Selby J, Bergman RN, Mykkanen L: Carotid artery atherosclerosis in type-2 diabetic and nondiabetic subjects with and without symptomatic coronary artery disease (The Insulin Resistance Atherosclerosis Study). Am J Cardiol 2000; 85: 1395-1400. [PubMed]

CADを認めない糖尿病患者の心筋梗塞発症率が,CAD既往を有する非糖尿病患者の心筋梗塞再発率と同程度であるとのFinnish Studyの結果が大きな驚きを与えたことは記憶に新しい。今回の頸動脈エコーを用いたIMTの測定からも,同様の結論が得られたといえる。糖尿病患者では,血糖コントロールはもちろん,スタチン系薬剤や降圧薬(とくにRAS系阻害薬)を用いた強力なリスク管理が望まれる。【片山茂裕

●目的 冠動脈疾患(CAD)を認めない糖尿病患者において,アテローム性動脈硬化の進行状態を検討するため,総頸動脈(CCA)および内頸動脈(ICA)の内膜-中膜壁肥厚(IMT)を糖尿病およびCADの有無により比較した。
●デザイン 多施設(米国)。
●試験期間 -
●対象患者 IRASの参加者(1625例)のうち,臨床的CAD(心筋梗塞既往,CABGまたはPTCA施行歴)を認める糖尿病例(CAD+糖尿病例)43例,臨床的CADを認めない糖尿病例(非CAD+糖尿病例)446例,臨床的CADを認める非糖尿病例(CAD+非糖尿病例)47例,臨床的CADを認めない非糖尿病例(非CAD+非糖尿病例)975例。40~70歳。
除外基準:インスリン投与下の糖尿病。空腹時血糖値≧300mg/dL。
●方法 高解像度Bモード超音波検査によりCCAおよびICAのIMTを測定し,アテローム性動脈硬化の指標とした。
●結果 年齢,性別,人種,臨床アウトカムを補正すると,糖尿病例では非糖尿病例に比してCCAおよびICAのいずれについてもIMTが有意に大きかった(p<0.001)。CAD例では非CAD例に比してCCAのIMTは有意に大きかったが(p=0.048),ICAのIMTは有意差を認めなかった。
CAD+糖尿病例ではIMTが最も大きく,次に非CAD+糖尿病例,CAD+非糖尿病例で,非CAD+非糖尿病例ではIMTが最も小さかった。非CAD+糖尿病例ではCAD+非糖尿病例よりもIMTが大きかったが,有意差は認められなかった。
●結論 CADを認めない糖尿病患者においても,CADを認める非糖尿病患者と同様にアテローム性動脈硬化が進行していることが示された。このことは,糖尿病患者に対しては心血管リスク因子の強力なマネジメントを実施すべきであることを示している。