編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年7月現在,1168報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Haneda M, Kikkawa R, Sakai H, Kawamori R, Candesartan in Diabetic Nephropathy Study Group: Antiproteinuric effect of candesartan cilexetil in Japanese subjects with type 2 diabetes and nephropathy. Diabetes Res Clin Pract 2004; 66: 87-95. [PubMed]

蛋白尿を有する日本人2型糖尿病患者におけるcandesartanの用量探索試験である。尿中蛋白排泄率とクレアチニンクリアランスの減少効果には用量依存性が認められた。ACE遺伝子多型による解析も行われたが,IIおよびDD遺伝子型において効果が認められ,ID遺伝子型では効果がはっきりしなかったことは,今後さらに検討を要する。【片山茂裕

●目的 腎症を有する日本人の2型糖尿病患者において,AII受容体拮抗薬(ARB)candesartan cilexetilの尿中蛋白排泄率に対する用量依存効果を明らかにし,その効果がACE遺伝子多型により変化するかを検討した。
一次エンドポイントは尿中蛋白排泄率の変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(日本)。
●試験期間 試験期間は1997年10月~2001年8月。追跡期間は12週。
●対象患者 127例:蛋白尿を有する日本人の2型糖尿病患者。≧35歳。
登録基準:ランダム化前3ヵ月以内に採取した2回の24時間尿標本において0.5~10gの蛋白尿。ランダム化前3ヵ月以内の2回の測定でHbA1c値の変化率が<10%。高血圧合併例では,ACE阻害薬またはARB以外の降圧薬治療で<150/90mmHg。
除外基準:血尿。尿路感染症の合併。血清クレアチニン値>2.0mg/dL。血清カリウム値>5.0mEq/L。ステロイドまたは免疫抑制薬の使用。重篤な心血管疾患,肝疾患,脳血管障害。妊娠または授乳中。
●方法 観察期間(<3ヵ月)後,患者をプラセボ群(32例),candesartan 2mg群(32例),4mg群(29例),8mg群(34例)にランダム化し,12週投与(すべて1回/日投与)。candesartan 8mg群では,最初の4週は4mgを投与。
・観察期間前にACE阻害薬またはARBを投与されていた患者では,washout期間(≧2週)を実施。
・ACE阻害薬とARBの併用,および試験期間中の他の薬剤(降圧薬,糖尿病治療薬,抗血小板薬)の使用は禁止。
・試験開始後4週ごとに来院し,24時間尿標本を採取。
●結果 尿中蛋白排泄率に対するcandesartanの用量依存効果が明白となったため,本試験は予定より早期に終了した。
12週後の尿中蛋白排泄率の変化は,プラセボ群(+32.2%)と2mg(+0.8%)で増加したのに対し,4mg群(-18.1%)と8mg群(-5.8%)では減少し,用量依存効果を認めた(F=9.45,P=0.0013)。
12週後のクレアチニンクリアランスの変化は,プラセボ群(+2.6%)と2mg群(+4.3%)で増加,4mg群(-2.0%)で減少,8mg群(-17.4%)で有意に減少した(P=0.0002)。
プラセボ群の1例を除く126例についてACE遺伝子型決定を行ったところ,II遺伝子型38.1%,ID遺伝子型48.4%,DD遺伝子型13.5%であった。この遺伝子型ごとに尿中蛋白排泄率の変化を検討すると,II遺伝子型ではプラセボ群で大きく上昇,2mg群で不変,4mg群で減少,8mg群でわずかに上昇を認めた。ID遺伝子型では群間差は認められなかった。DD遺伝子型ではプラセボ群と2mg群では上昇し,4mg群と8mg群では減少した。
●結論 腎症を有する日本人の2型糖尿病患者において,candesartan cilexetil 2~8mg/日投与の蛋白尿減少効果が明らかとなった。この効果は,ACE遺伝子のIIおよびDD遺伝子型を有する患者において認められるようであった。