編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bonora E, Targher G, Formentini G, Calcaterra F, Lombardi S, Marini F, Zenari L, Saggiani F, Poli M, Perbellini S, et al: The Metabolic Syndrome is an independent predictor of cardiovascular disease in Type 2 diabetic subjects. Prospective data from the Verona Diabetes Complications Study. Diabet Med 2004; 21: 52-58. [PubMed]

糖尿病患者は,メタボリックシンドロームの有無にかかわらずCVDの高リスク群であり,ことさらメタボリックシンドロームの有無を判定する臨床的意義がないとする報告もある。しかしながら,本検討では,糖尿病患者でもメタボリックシンドロームがあるとCVDのリスクが約5倍になることが示された。わが国でも新しいメタボリックシンドロームの診断基準が示されたところであり,わが国における検討が求められる。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,心血管疾患(CVD)リスクとメタボリックシンドロームの関係を検討した。
エンドポイントはCVD(CVD死,非致死性心筋梗塞[MI]または脳卒中,狭心症,無症候性心筋虚血,一過性脳虚血発作,間欠性跛行,下肢壊疽,echo-duplexによる頸動脈または下肢動脈硬化)。
●デザイン 縦断研究,コホート。
●試験期間 登録期間は1988年1月1日~1991年12月31日。追跡期間は平均4.5年。
●対象患者 946例:Verona Diabetes Complications Studyの参加者(2型糖尿病患者1780例)のうち,インスリン非投与例。平均64歳。
●方法 ベースライン時および平均4.5年後にCVDの有無を評価するとともに,追跡期間のCVD死(致死性MIまたは脳卒中,突然死)を調査。
・メタボリックシンドロームの診断はWHO基準に従い,体幹部肥満(BMI>30kg/m²および/またはウェスト-ヒップ比>0.90[男性]/>0.85[女性]),脂質代謝異常(トリグリセリド値≧1.7mmol/Lおよび/またはHDL-C値<0.9mmol/L[男性]/<1.0mmol/L[女性]または脂質低下治療),高血圧(≧140/90mmHgまたは降圧薬),微量アルブミン尿(30~299mg/L)のうち2つ以上を有する場合とした。
●結果 メタボリックシンドロームの有病率は92.3%(873例)ときわめて高かった。
ベースライン時にCVDを有していたのは300例(31.7%)で,CVD有病率はメタボリックシンドローム例で非メタボリックシンドローム例に比して有意に高かった(32.9 vs 17.8%,p=0.005)。
ベースライン時にCVDを認めなかった559例のうち,追跡期間にCVDを発症したのは103例(18.4%)で,CVD発症率はメタボリックシンドローム例で有意に高かった(19.9 vs 3.9%,p<0.001)。
また,追跡期間に49例(6.2%)がCVDにより死亡したが,CVD死亡率もメタボリックシンドローム例で上昇傾向を示した(6.8 vs 1.7%,p=0.06)。
多重ロジスティック解析では,ベースライン時におけるCVD有病率の独立した有意な予測因子は,男性(オッズ比[OR]2.58,p<0.001),年齢(OR 1.08,p<0.001),HbA1c値(OR 1.13,p=0.026),メタボリックシンドローム(OR 2.01,p=0.045)であった。追跡期間のCVD発症の予測因子は,年齢(OR 1.05,p<0.001),喫煙(OR 1.63,p=0.045),HbA1c値(OR 1.18,p=0.021),メタボリックシンドローム(OR 4.89,p=0.031)であり,とくにメタボリックシンドローム例ではCVDリスクが顕著に増大していた。
●結論 2型糖尿病患者ではメタボリックシンドロームの有病率がきわめて高く,さらに,それらの症例ではCVDリスクが約5倍に増大していることが示された。