編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hermiller JB, Raizner A, Cannon L, Gurbel PA, Kutcher MA, Wong SC, Russell ME, Ellis SG, Mehran R, Stone GW, et al: Outcomes with the polymer-based paclitaxel-eluting TAXUS stent in patients with diabetes mellitus: the TAXUS-IV trial. J Am Coll Cardiol 2005; 45: 1172-1179. [PubMed]

経口血糖降下薬投与例であれ,インスリン投与例であれ,糖尿病患者においてもpaclitaxel溶出ステントが再狭窄や心臓死を予防することが明らかにされた。また,そのリスク低下率は非糖尿病患者のレベルまで達するほど有効であることも朗報である。今後,薬剤溶出ステントが広く使われるようになれば,PCIの様相が一変するものと予想される。【片山茂裕

●目的 糖尿病患者において,ポリマーベースの抗悪性腫瘍薬paclitaxel溶出ステント(TAXUSステント)の有効性および安全性をベアメタルステントと比較した。
主要エンドポイントは虚血による標的血管の血行再建術(TVR)。
●デザイン 無作為。
●試験期間 追跡期間は1年。
●対象患者 318例:TAXUS-IVの参加者(内径2.5~3.75mmの血管に10~28mm長の新規病変を1つ有する患者1314例)のうち,糖尿病患者(24.2%)。うちインスリン投与例は105例。平均62.17歳。
●方法 患者を糖尿病の有無および血管径で層別化後,TAXUSステント群とベアメタルステント群にランダム化。本解析対象は,TAXUSステント群155例,ベアメタルステント群163例。
血管造影所見における再狭窄およびTVR,標的病変の血行再建術(TLR),主要有害心イベント(心臓死,心筋梗塞[MI],虚血によるTVR)の発生を追跡。
●結果 糖尿病患者において,TAXUSステント群ではベアメタルステント群に比して,9ヵ月後における再狭窄が81%減少した(6.4 vs 34.5%,p<0.0001)。また,12ヵ月後におけるTLRは65%減少し(7.4 vs 20.9%,p=0.0008),TVRは53%減少したが(11.3 vs 24.0%,p=0.004),これは経皮的冠動脈インターベンションおよびバイパスグラフト術が減少したことによるものであった。またその結果として,12ヵ月後における主要有害心イベントもTAXUSステント群で44%減少した(15.6 vs 27.7%,p=0.01)。一方,12ヵ月後の心臓死(1.9 vs 2.5%),MI(3.2 vs 6.4%),亜急性血栓症(0.6 vs 1.2%)については両群で同等であった。
次に,糖尿病の有無ならびに糖尿病治療の種類による比較を行ったところ,TAXUSステントによる主要有害心イベント,TLR,TVRの相対的減少度は,糖尿病患者のインスリン投与例,糖尿病患者の経口血糖降下薬投与例,非糖尿病例で同等であった。また,3症例の9ヵ月後における再狭窄率は,ベアメタルステント群ではインスリン投与例で高い傾向(それぞれ42.9%,29.7%,24.4%)であったが,TAXUSステント群では3症例で同程度の値まで減少していた(それぞれ7.7%,5.8%,8.5%)。
●結論 糖尿病患者において,TAXUSステントは糖尿病治療の種類にかかわらず臨床アウトカムならびに再狭窄の減少に有効であった。また,再狭窄は非糖尿病例と同程度まで減少することが示された。