編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Jovanovic L, Knopp RH, Kim H, Cefalu WT, Zhu XD, Lee YJ, Simpson JL, Mills JL: Elevated pregnancy losses at high and low extremes of maternal glucose in early normal and diabetic pregnancy: evidence for a protective adaptation in diabetes. Diabetes Care 2005; 28: 1113-1117. [PubMed]

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●目的 1型糖尿病合併妊娠および正常妊娠において,血糖値(糖化蛋白およびフルクトサミン)と流産との関係を検討した。
●デザイン 多施設。
●試験期間 登録期間は1980~1985年。
●対象患者 818例:1型糖尿病合併妊娠例389例および正常妊娠例429例。
除外基準:妊娠糖尿病。
●方法 糖化蛋白およびフルクトサミンを測定し,それぞれの標準値(Zスコア)を算出。Zスコアに基づいて糖尿病合併妊娠例および正常妊娠例を分類し,妊娠<20週での流産率を比較。流産率のオッズの対数(ロジット)を縦軸に,Zスコアを横軸にプロットし,ロジスティック回帰モデルを用いてそれらの関係を検討。
●結果 平均流産率は,糖尿病合併妊娠例12%,正常妊娠例13%であった。
糖尿病合併妊娠例を糖化蛋白のZスコアに基づいて6群(<-1.0,-1.0~<1.0,1.0~<2.0,2.0~<3.0,3.0~<4.0,≧4.0)に分け,流産率を比較したところ,正常妊娠例の平均値との差が大きい群では流産率は上昇していた(最上位群[≧4.0]は24%,最下位群[<-1.0]は33%)。これに対し,平均値により近い群では流産率もより低かった(-1.0~<1.0群は8%,1.0~<2.0群は14%,2.0~<3.0群は11%,3.0~<4.0群は11%)。最上位群および最下位群をあわせて解析すると,平均値により近い群に比して流産率は3倍高かった(オッズ比3.0,95%CI 1.3-7.0,p=0.01)。正常妊娠例でも同様に,最上位群および最下位群では流産率が高く,平均値に近い群では低かった。
次にロジスティック回帰モデルを用いて,糖化蛋白のZスコアおよび流産率を連続変数として解析したところ,流産率のロジットプロットはJ型曲線を示し,糖化蛋白のZスコアが平均値から離れるほど上昇した(正常妊娠例:p<0.019,糖尿病合併妊娠例:p<0.015)。糖尿病合併妊娠例では,流産率上昇に関する糖化蛋白の閾値(Zスコアの上限)は,正常妊娠例に比して2~5倍高かった。
フルクトサミンのZスコアを用いた検討でも,同様の結果が得られた。
●結論 1型糖尿病合併妊娠例および正常妊娠例のいずれにおいても,流産率は血糖値異常(高値および低値)に伴って上昇したが,糖尿病合併妊娠例では流産率の上昇に至る血糖値のレベルは正常妊娠例に比してより高かった。このことは,糖尿病合併妊娠例では高血糖に対する防御反応が生じていることを示唆している。