編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Alssema M, Dekker JM, Nijpels G, Stehouwer CD, Bouter LM, Heine RJ: Proinsulin concentration is an independent predictor of all-cause and cardiovascular mortality: an 11-year follow-up of the Hoorn Study. Diabetes Care 2005; 28: 860-865. [PubMed]

今までにも,血中プロインスリン濃度がCVDのリスク因子になることを示唆する報告がいくつかあるが,今回のHoorn Studyのサブ解析でも,空腹時プロインスリン濃度が全死亡やCVD死と有意な相関を示した。プロインスリンが高値となることは,インスリン抵抗性やβ細胞機能不全を示唆するとも考えられる。また,プロインスリンがPAI-1の増加をもたらしたり,メタボリックシンドロームを惹起したり,あるいは直接的に動脈硬化を惹起することも考えられる。【片山茂裕

●目的 インスリン値,プロインスリン値,インスリン抵抗性と全死亡および心血管疾患(CVD)死との関係を検討し,さらにインスリン値またはプロインスリン値と死亡との関係におけるインスリン抵抗性および耐糖能の関与について検討した。
●デザイン コホート,縦断研究。
●試験期間 1989年登録。追跡期間は11年(~2003年1月)。
●対象患者 604例:Hoorn Studyの参加者(オランダHoorn市在住の白人男女2484例,50~75歳)のうち,既知の糖尿病がなく,インスリン値またはプロインスリン値について2回の測定値が得られた例(正常例277例,耐糖能異常例208例,新規2型糖尿病患者119例)。
●方法 空腹時および75g OGTT 2時間後の血糖値,インスリン値,プロインスリン値を測定。空腹時プロインスリン/インスリン比を算出。HOMA-IRおよびHOMA-Bをもとにインスリン抵抗性およびβ細胞機能を評価。全死亡およびCVD死を追跡し,Cox比例ハザードモデルを用いて各変数との関係を評価。
●結果 追跡期間に156例が死亡し,うち59例がCVD死または突然死であった。
全死亡およびCVD死と各変数の関係を検討したところ,空腹時プロインスリン値が有意な相関を示し,四分位範囲の増加に伴うハザード比(年齢および性別について補正)は,全死亡1.21(95%CI 1.04-1.42),CVD死1.33(95%CI 1.06-1.66)であった。耐糖能(血糖値)およびHOMA-IRについて補正しても同様の結果が得られ,トリグリセリド値および高血圧について補正すると全死亡との相関はやや減弱した。HOMA-IRも全死亡と有意な相関を示したものの(ハザード比1.16[95%CI 1.01-1.32]),空腹時プロインスリン値について補正するとこの相関は消失した。
●結論 空腹時プロインスリン値は全死亡およびCVD死と相関を示した。この相関は耐糖能およびインスリン抵抗性とは独立しており,その他のCVDリスク因子ともほとんど関係していなかった。したがってプロインスリン値は,インスリン抵抗性およびCVDの関係において,何らかの役割を果たしていると考えられる。