編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Yusuf S, Ostergren JB, Gerstein HC, Pfeffer MA, Swedberg K, Granger CB, Olofsson B, Probstfield J, McMurray JV, Candesartan in Heart Failure-Assessment of Reduction in Mortality and Morbidity Program Investigators: Effects of candesartan on the development of a new diagnosis of diabetes mellitus in patients with heart failure. Circulation 2005; 112: 48-53. [PubMed]

ARBを用いた糖尿病の新規発症予防効果についての試験はlosartanを用いたLIFEが最初であるが,LIFEはプラセボではなくβ遮断薬との比較であり,ARBにとって有利な条件といえた。本試験は,心不全患者の多数症例を,前向き研究でプラセボと比較したという点で興味深い。【河盛隆造

●目的 心不全患者において,AII受容体拮抗薬(ARB)candesartanの糖尿病新規発症抑制効果をプラセボと比較した。CHARM試験の二次エンドポイント。
エンドポイントは糖尿病新規発症,または糖尿病新規発症と全死亡の複合エンドポイント。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は2~4年(中央値3.1年)。
●対象患者 5436例:CHARMの参加者(心不全患者7601例)のうち,登録時に糖尿病を認めない例。
●方法 患者をcandesartan群(2715例)とプラセボ群(2721例)にランダム化し,2~4年投与。試験期間には,ARB以外の循環器薬または血糖低下薬を含む他の薬剤の併用可。
・candesartan群では忍容性のある場合は目標用量(32mg/日)まで増量。
・2,4,6週後,6ヵ月後,以後4ヵ月ごとに追跡し,糖尿病の新規発症(空腹時血漿ブドウ糖値>126mg/dL,空腹時血糖値≧110mg/dL,OGTT 2時間値または随意血糖値≧200mg/dL,血糖低下薬の投与,ライフスタイル修正の指示)を評価。
●結果 追跡期間に糖尿病を新規発症したのは,candesartan群163例(6.0%),プラセボ群202例(7.4%)であった(ハザード比[HR]0.78,95%CI 0.64-0.96,p=0.020)。死亡または糖尿病新規発症の複合エンドポイントの発生は,candesartan群692例(25.2%),プラセボ群779例(28.6%)であった(HR 0.86,95%CI 0.78-0.95,p=0.004)。
さまざまなサブグループ解析でもcandesartan群の有効性が認められたが, ACE阻害薬を併用していた例では(HR 0.88,95%CI 0.65-1.20),併用していなかった例(HR 0.71,95%CI 0.53-0.93)と比べて有効性の度合いが小さかった(p for heterogeneity=0.28)。
●結論 心不全患者において,candesartanは糖尿病新規発症を抑制した。このことは,レニン-アンジオテンシン系が糖調節に関与していることを示唆している。