編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Gurm HS, Sarembock IJ, Kereiakes DJ, Young JJ, Harrington RA, Kleiman N, Feit F, Wolski K, Bittl JA, Wilcox R, et al: Use of bivalirudin during percutaneous coronary intervention in patients with diabetes mellitus: an analysis from the randomized evaluation in percutaneous coronary intervention linking angiomax to reduced clinical events (REPLACE)-2 trial. J Am Coll Cardiol 2005; 45: 1932-1938. [PubMed]

糖尿病患者においても,PCI後にGP IIb/IIIa受容体拮抗薬を使用することが勧められているが,出血リスクが増大することが危惧されている。トロンビンを直接阻害する抗血栓薬であるbivalirudinを使用し,GP IIb/IIIa受容体拮抗薬を緊急投与する今回の方法は,heparinにGP IIb/IIIa受容体拮抗薬を計画投与する従来の方法と比べて,30日後の複合エンドポイントはほぼ同等であったが,1年後の生存率を改善させる傾向があり,大出血リスクは同等であった。【片山茂裕

●目的 経皮的冠動脈形成術(PCI)施行後の抗血栓薬bivalirudinの短期的および長期的有効性をGP IIb/IIIa受容体拮抗薬と比較し,またその結果を糖尿病患者と非糖尿病患者で比較検討した。
一次エンドポイントは,死亡,心筋梗塞(MI),緊急血行再建術を要する虚血の複合エンドポイント,または30日以内の病院内大出血。
●デザイン 無作為,二重盲検。
●試験期間 追跡期間は1年。
●対象患者 5992例:待機的または緊急PCI施行患者。糖尿病患者1624例,非糖尿病患者4368例。
除外基準:急性MIの再灌流療法としてのPCI。warfarin治療継続の必要性。6時間以内の非分画heparin投与,8時間以内の低分子量heparin投与,24時間以内のbivalirudin投与,7日以内のabciximab投与,12時間以内のeptifibatideまたはtirofiban投与。
●方法 患者を,bivalirudin 0.75mg/kgボーラス投与および1.75mg/kg/時静注+緊急GP IIb/IIIa受容体拮抗薬群(bivalirudin群),heparin 65U/kgボーラス投与+計画的GP IIb/IIIa受容体拮抗薬群(heparin+GP IIb/IIIa受容体拮抗薬群)にランダム化。PCI後30日間は,全例にaspirinおよびclopidogrelを投与。
●結果 30日後の死亡率は糖尿病患者(0.37%)と非糖尿病患者(0.30%)で同等であったが,1年後の死亡率は糖尿病患者で高かった(3.06 vs 1.85%,p=0.004)。
糖尿病患者において群間比較したところ,30日後の複合エンドポイント発生は両群で同等であった(bivalirudin群5.72% vs heparin+GP IIb/IIIa受容体拮抗薬群5.88%)。1年後の死亡率はbivalirudin群で低かったが有意差は認めず(2.28 vs 3.90%,p=0.065),生存率に関する有効性は両群で同等であることが示された。
大出血の発生は,糖尿病患者と非糖尿病患者で同等であった(3.1 vs 3.3%,p=0.76)。群間比較では,糖尿病患者においては両群で同等であったが(3.3 vs 3.0%,p=0.69),非糖尿病患者ではbivalirudin群で有意に少なかった(2.14 vs 4.42%,p<0.001)。
●結論 糖尿病患者において,bivalirudinと緊急GP IIb/IIIa受容体拮抗薬の併用は,30日後のアウトカムに対してルーチンのGP IIb/IIIa受容体拮抗薬投与と同等の有効性をもち,1年後の死亡率については減少傾向を認めることが示された。