編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Sone H, Mizuno S, Fujii H, Yoshimura Y, Yamasaki Y, Ishibashi S, Katayama S, Saito Y, Ito H, Ohashi Y, et al.: Is the diagnosis of metabolic syndrome useful for predicting cardiovascular disease in asian diabetic patients? Analysis from the Japan Diabetes Complications Study. Diabetes Care 2005; 28: 1463-1471. [PubMed]

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●目的 日本人の2型糖尿病患者において,WHO基準およびNCEP基準によるメタボリックシンドロームの有病率を検討し,メタボリックシンドロームが心血管疾患(CVD)の予測能を有するかを検討した。
●デザイン 前向き,多施設。
●試験期間 試験開始は1996年。追跡期間は8年。
●対象患者 1424例:JDCSの参加者(CVD既往を有さない日本人の2型糖尿病患者2205例,40~70歳,HbA1c値>6.5%)のうち,メタボリックシンドロームについてのWHO基準およびNCEP基準に必要な要素のデータが得られた例。男性771例,女性653例。
●方法 対象患者におけるメタボリックシンドロームの有病率をWHO基準およびNCEP基準を用いて評価し,初回発症のCVDイベント(冠動脈疾患および/または脳卒中)をベースライン時および以降1年ごとに追跡。
●結果 ベースラインにおけるメタボリックシンドロームの有病率は高く,WHO基準に合致したのは男性51%,女性53%,NCEP基準に合致したのは男性45%,女性38%であった。
8年の追跡期間に発生したCVDイベントは117件であり,メタボリックシンドロームを有する例では有さない例に比して発生率が高かった(WHO基準:男性21.6 vs 12.7%[p=0.03],女性19.0 vs 5.7%[p<0.01],NCEP基準:男性22.6 vs 13.0%[p=0.02],女性15.6 vs 10.7%[p=0.22])。
メタボリックシンドロームおよびその個々の要素のCVD予測能を検討すると,女性においてはWHO基準は予測能を強く有していたが(ハザード比[HR]3.2),NCEP基準は有しておらず(HR 1.4),個々の要素も有意な予測能を示さなかった。男性においては,両基準とも予測能を有しており(WHO基準:HR 1.6,NCEP基準:HR 1.8),また高脂血症や高血圧などの個々の要素も同様に予測能を有していた。
●結論 CVD既往を有さない日本人の2型糖尿病患者において,メタボリックシンドロームの有病率は高かった。メタボリックシンドロームの基準として一般的に用いられているWHOおよびNCEPの基準は,アジア人の糖尿病患者においては臨床的有用性が限られており,特定の民族に対しては基準の修正が必要であることが示された。