編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bosch J, Lonn E, Pogue J, Arnold JM, Dagenais GR, Yusuf S, HOPE/HOPE-TOO Study Investigators: Long-term effects of ramipril on cardiovascular events and on diabetes: results of the HOPE study extension. Circulation 2005; 112: 1339-1346. [PubMed]

心筋梗塞および糖尿病の新規発症いずれも本試験のramipril群で抑制されており,ACE阻害薬の早期の治療介入の重要性が示唆された。【景山 茂

●目的 HOPE試験で認められたACE阻害薬ramiprilの心血管(CV)イベントリスク減少および糖尿病新規発症減少に対する有効性が,より長期の観察においても認められるかを検討し,その有効性をベースライン時のリスクおよび他の薬物治療によるサブグループにおいて検討した(HOPE延長試験)。
一次エンドポイントは心筋梗塞(MI),脳卒中,CV死,およびこれらの複合エンドポイント。二次エンドポイントは糖尿病新規発症。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析,2×2 factorial。
●試験期間 本試験:登録期間は1993年12月21日~1995年6月15日,追跡期間は平均4.5年。延長試験:1999年4月16日開始,追跡期間は平均2.6年。全追跡期間:7.2年(中央値)。
●対象患者 4528例:HOPEの参加者(心不全または左室機能不全を有さない血管疾患および/または糖尿病患者9297例)のうち,延長試験開始時に生存し,延長試験参加に賛同した例。ramipril(10mg/日)群2317例,プラセボ群2211例。
●方法 延長試験では,本試験の割付けにかかわらず全例にramiprilを処方した。
患者を6ヵ月ごとに追跡し,CVイベント発症および糖尿病新規発症を評価。
さらに,CVイベント発症および糖尿病新規発症について,ベースライン時のCVリスクによる低~高リスク例の比較,および試験開始時の他の薬物治療例における比較を実施。
●結果 延長試験終了時のACE阻害薬の使用率は両群で同等であった(ramipril群72% vs プラセボ群68%)。
延長試験におけるCVイベント発症は,ramipril群7.9%,プラセボ群8.4%であった(相対リスク[RR]0.91,95%CI 0.76-1.10)。個々のイベントをみると,MI(RR 0.81,95%CI 0.65-1.01)はramipril群で低く,4.5年間の本試験と同程度であったが,脳卒中(RR 1.01)およびCV死(RR 1.02)は同等であった。
本試験と延長試験をあわせた全追跡期間においては,CVイベント発症はramipril群で有意に減少し(RR 0.83,p=0.0002),個々のイベントについてもramipril群で有意に減少した(MI:RR 0.81[p=0.0007],脳卒中:RR 0.79[p=0.023],CV死:RR 0.86[p=0.045])。
糖尿病新規発症は,延長試験(RR 0.66,95%CI 0.46-0.95)および全追跡期間(RR 0.69,95%CI 0.56-0.85,p=0.0006)のいずれも,ramipril群で低かった。
ベースライン時のリスクによるサブグループの検討では,CVイベント発症(低リスク群:RR 0.76,中リスク群:RR 0.89,高リスク群:RR 0.83)および糖尿病新規発症(それぞれ0.67,0.87,0.54)ともに,全例においてramiprilの有効性が認められた。CVイベント発症を他の薬物治療に分けて検討してもramiprilの有効性が認められた(アスピリン:RR 0.85,β遮断薬:RR 0.76,脂質低下薬:RR 0.84)。
●結論 HOPE試験で認められたramiprilのCVイベントに対する有効性は,追跡期間を延長しても同様に認められた。延長試験終了時のACE阻害薬使用率は両群で同等であったにもかかわらず,MI,血行再建術,糖尿病新規発症については,ramipril群で延長試験中にさらなる低下が認められた。またramiprilの有効性は,患者のベースライン時のリスクおよび他の薬物治療に関わりなく認められた。