編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Levantesi G, Macchia A, Marfisi R, Franzosi MG, Maggioni AP, Nicolosi GL, Schweiger C, Tavazzi L, Tognoni G, Valagussa F, et al: Metabolic syndrome and risk of cardiovascular events after myocardial infarction. J Am Coll Cardiol 2005; 46: 277-283. [PubMed]

MI患者において,METS(糖尿病を除外し,空腹時血糖異常に限っているが)を有する患者では,非METS例に比して全死亡が1.29倍,CVイベントが1.23倍に達した。また,METS例からの糖尿病発症も,非METS例に比して1.93倍に達した。ただ,糖尿病患者の全死亡およびCVイベントリスクは,METS例に比べてさらに高かったことが特筆される。
また糖尿病患者では,女性のリスクがとくに高い点に留意する必要がある。さらには,10%以上の体重減少により,糖尿病発症リスクが41%減少したことも特筆される。【片山茂裕

●目的 心筋梗塞(MI)患者において,メタボリックシンドローム(METS)および糖尿病の有病率を検討し,心血管(CV)イベントとの関連性を検討した。
●デザイン 多施設(イタリア)。
●試験期間 追跡期間は3.5年。
●対象患者 10384例:GISSI-Prevenzioneの参加者(過去3ヵ月以内[中央値16日]のMI患者11323例)のうち,METSに関するデータが得られた例。
●方法 ベースライン時,6,12,18,30,42ヵ月後に,糖尿病,METS,全死亡,CVイベント(CV死,非致死性MI,非致死性脳卒中),うっ血性心不全(CHF)による入院の発生を評価。さらに,ベースライン時にCVイベントおよび糖尿病を有さない7027例において,6ヵ月後までの減量による糖尿病発症リスク減少効果を検討。
・糖尿病の基準は,空腹時血糖値≧126mg/dLまたは血糖降下薬投与とした。
・METSの基準は,内臓肥満(BMI≧26kg/m²),トリグリセリド高値(≧150mg/dL),HDL-C低値(<40mg/dL[男性]または<50mg/dL[女性]),高血圧(SBP≧130mmHgまたはDBP≧85mmHg),空腹時血糖異常(110~126mg/dL)のうち3つ以上を有する場合とした。
●結果 ベースライン時の有病率は,糖尿病20.6%,METS 29.3%であった。
糖尿病患者およびMETS例では正常例と比較して,全死亡(相対リスク[RR]:糖尿病患者1.68[p<0.0001],METS例1.29[p=0.002])およびCVイベント(RR:1.47[p<0.0001],1.23[p=0.005])の発生が有意に高かった。CHFによる入院は,糖尿病患者では有意に高かったが(RR 1.89[p=0.0003]),METS例では有意ではなかった(RR 1.24[p=0.241])。また糖尿病発症リスクは,METS例で正常例に比して有意に高かった(RR 1.93[p<0.0001])。
男女別に検討すると,糖尿病患者における死亡(54 vs 193%[p=0.006])およびCVイベント(32 vs 146%[p=0.004])は女性で有意に高リスクであった。METS例では糖尿病発症(86 vs 169%[p=0.092]),死亡(29 vs 40%[p=0.679]),CVイベント(20 vs 51%[p=0.298])は女性で高リスクであったが,その差は有意ではなかった。
減量によるリスク減少効果の検討(7027例)では,ベースライン時から6ヵ月後までの減量により糖尿病発症は抑制された(減量度<5%例に対するRR:6~10%例0.82[p=0.1664],>10%例0.59[p<0.0275])。体重増加例では糖尿病発症が増加していた。
●結論 MI患者において,糖尿病およびMETSの有病率は高かった。糖尿病およびMETSは死亡およびCVイベントリスクと関連しており,さらに糖尿病はCHFによる入院リスクとも関連していた。また減量により,糖尿病発症リスクは有意に抑制された。