編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tirosh A, Shai I, Tekes-Manova D, Israeli E, Pereg D, Shochat T, Kochba I, Rudich A, Israeli Diabetes Research Group: Normal fasting plasma glucose levels and type 2 diabetes in young men. N Engl J Med 2005; 353: 1454-1462. [PubMed]

空腹時血糖値が正常範囲内でも,高値であるほど将来の2型糖尿病発症リスクが高まるという点は目新しいデータである。BMIの影響については,これまでの横断的あるいは縦断的研究から,すでに証明済みである。糖尿病の発症を2回の空腹時血糖値で診断しているのは,食後高血糖が空腹時血糖値の上昇よりもかなり早くから認められる場合が多いという最近の報告を考えると,いささか解釈に戸惑うものがある。【河盛隆造

●目的 正常血糖値の若年男性において,空腹時血漿ブドウ糖(FPG)値と2型糖尿病発症の関係を検討した。
一次エンドポイントは2型糖尿病の診断。
●デザイン コホート。
●試験期間 追跡期間は1992年~2004年(74309人・年,平均5.7年)。
●対象患者 13163例:MELANY試験(≧25歳の職業安定所職員の健康診断データ)において,ベースライン時のFPG値が正常範囲(≦100mg/dL)で,追跡調査が可能であった男性。平均32歳(範囲26~45歳)。
除外基準:登録時の1型または2型糖尿病。
●方法 ベースライン時および追跡調査時に,健康診断としてFPG値,身体測定,診察を実施し,2型糖尿病の発症を追跡。また,健康診断以外に受診した内容についてもデータベースに収載。Cox比例ハザードモデルを用いて,ベースライン時のFPG値と2型糖尿病発症の関係を検討。
●結果 追跡期間に208例が2型糖尿病を発症した。
FPG値を5群(50~81,82~86,87~90,91~94,95~99mg/dL)に分類し,2型糖尿病発症の関係を検討した多変量解析では(年齢,糖尿病の家族歴,BMI,身体活動レベル,喫煙状況,血清トリグリセリド[TG]値を補正),最低値群に対する2型糖尿病発症のハザード比は,第3分位群1.82,第4分位群2.64,第5分位群2.84と,段階的なリスク増大が認められた(p for trend<0.001)。
また,FPG値を3群(≦86,87~90,91~99mg/dL)に分類し,2型糖尿病発症に対するTG値(<150,≧150mg/dL)の複合効果を検討したところ,FPG値とTG値がいずれも高値の症例は,いずれも低値の症例に対し,糖尿病発症のハザード比が8.23(95%CI 3.6-19.0)であった。BMI(<25,25~29.9,≧30)についても同様の検討をしたところ,FPG値とBMIがいずれも高値の症例は,いずれも低値の症例に対し,ハザード比が8.29(95%CI 3.8-17.8)であった。
●結論 正常血糖値の若年男性において,FPG値が高いほど2型糖尿病発症リスクは増大していた。また,FPG値にBMIおよびTG値をあわせて検討することで,表面的には健康な男性における糖尿病リスクを検出できることが示された。