編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Dibra A, Kastrati A, Mehilli J, Pache J, Schuhlen H, von Beckerath N, Ulm K, Wessely R, Dirschinger J, Schomig A, et al: Paclitaxel-eluting or sirolimus-eluting stents to prevent restenosis in diabetic patients. N Engl J Med 2005; 353: 663-670. [PubMed]

冠動脈インターベンションにおいて,再狭窄リスクが少ないことで薬剤溶出ステントの有効性が明らかにされつつある。冠動脈疾患を有する糖尿病患者における今回の検討では,抗腫瘍薬であるpaclitaxelを用いた薬剤溶出ステントは,免疫抑制薬であるsirolimusを用いた溶出ステントに比べて有効ではなかった。【片山茂裕

●目的 冠動脈疾患を有する糖尿病患者において,抗腫瘍薬paclitaxel溶出ステントと免疫抑制薬sirolimus溶出ステントの有効性を比較検討した。
一次エンドポイントはセグメント(ステント+両端5mm)内の晩期内径損失。二次エンドポイントは血管造影上の再狭窄(追跡時の血管造影において≧50%のセグメント内狭窄)および標的病変の血行再建術。
●デザイン 無作為,前向き,多施設(ドイツ),intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は2003年6月11日~2004年3月15日。追跡期間は9ヵ月。
●対象患者 250例:狭心症を有するか,臨床的に有意な冠動脈造影上の狭窄を認める糖尿病患者。
除外基準:ST上昇を認める急性心筋梗塞。左冠動脈主幹部の標的病変。ステント内再狭窄。抗血小板薬aspirin,heparin,clopidogrelの使用禁忌。
●方法 全例において,冠動脈造影施行の2時間以上前にclopidogrel 600mgを投与。ガイドワイヤーが病変に到達後,患者を,paclitaxel溶出ステント群(125例)またはsirolimus溶出ステント群(125例)にランダム化。6~8ヵ月後に冠動脈造影を実施し,エンドポイントの発生を追跡。
・本試験は,paclitaxel溶出ステントのsirolimus溶出ステントに対する非劣性を検証するために行われた(セグメント内の晩期内径損失の差が<0.16mmの場合に非劣性とした)。
●結果 paclitaxel群におけるセグメント内の晩期内径損失は,sirolimus群に比して平均0.24mm(95%CI 0.09-0.39)大きかったため,paclitaxel溶出ステントの非劣性は否定された。またこの結果は,sirolimus溶出ステントの統計学的優性を示すものであった(p=0.002)。
追跡期間に血管造影上のセグメント内狭窄を認めたのは,paclitaxel群16.5%,sirolimus群6.9%であった(相対リスク[RR]2.40,95%CI 1.04-5.55,p=0.03)。標的病変の血行再建術施行は,paclitaxel群12.0%,sirolimus群6.4%であった(RR 1.89,95%CI 0.82-4.27,p=0.13)。
●結論 冠動脈疾患を有する糖尿病患者において,paclitaxel溶出ステントのsirolimus溶出ステントに対する非劣性は証明されなかった。sirolimus溶出ステントは,晩期内径損失の低減効果により優れており,再狭窄リスクを減少することが示唆された。