編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Arampatzis CA, Goedhart D, Serruys PW, Saia F, Lemos PA, de Feyter P, LIPS Investigators: Fluvastatin reduces the impact of diabetes on long-term outcome after coronary intervention--a Lescol Intervention Prevention Study (LIPS) substudy. Am Heart J 2005; 149: 329-335. [PubMed]

LIPS試験の糖尿病患者についてのサブ解析でも,これまでの検討と同様に,PCIを受けた糖尿病患者は,非糖尿病患者に比べ高リスクであることが示された。そして,スタチン系薬剤によりLDL-C値を124mg/dLから約26%低下させることで,プラセボ群に比べて心イベントを51%減少させた。全体におけるリスク低下率の18%に比べると,糖尿病患者におけるスタチン系薬剤のメリットがきわめて大きいことが再確認されたといえる。この結果は,PCIを受けた糖尿病患者では,血糖コントロールはもちろんであるが,脂質管理も重要であることを示すものである。【片山茂裕

●目的 経皮的冠インターベンション(PCI)を施行された糖尿病患者において,HMG-CoA還元酵素阻害薬fluvastatinの主要有害心イベント(MACE)に対する長期的有効性を検討した。LIPS試験のサブ解析。
一次アウトカムはMACE(心臓死,非致死性心筋梗塞,血行再建術再施行[CABG,PCI再施行,新規病変に対するPCI施行])。二次アウトカムは冠アテローム硬化性イベント(血行再建術再施行を除くMACE)。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,前向き,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は3~4年。
●対象患者 202例:LIPSの参加者(冠動脈の1つ以上の病変に対して施行した初回PCIが成功した患者1677例)のうち,糖尿病患者(12%)。
登録基準:総コレステロール値135~270mg/dL(糖尿病患者では≦232mg/dL)。空腹時トリグリセリド値<400mg/dL。
除外基準:薬物治療実施にもかかわらずSBP>180mmHgおよびDBP>100mmHg。左室駆出率<30%。血行再建術(PCIまたはCABG)既往。重篤な弁膜症。特発性心筋症または先天性心疾患。重症心不全。肥満(BMI>35kg/m²)。平均余命<4年の悪性または他の疾患。
●方法 LIPS試験では,退院時(PCI施行後2.0日[中央値])にfluvastatin 80mg/日(分2)群844例,プラセボ群833例にランダム化。6週後,以後6ヵ月ごとに追跡。
本解析の対象患者は,fluvastatin群120例,プラセボ群82例。
●結果 治療群と糖尿病の有無の相互作用を解析したところ,プラセボ群においては糖尿病によりMACEリスクが有意に上昇したが(相対リスク[RR]1.78,95%CI 1.20-2.64,p=0.0045),fluvastatin群においては糖尿病による有意なリスク上昇は認められなかった(RR 1.06,p=0.7879)。また,fluvastatin治療によるリスク減少は,非糖尿病患者においては18%であったが(RR 0.82,p=0.0738),糖尿病患者においては51%と有意であった(RR 0.49,p=0.088)。
追跡期間のMACEの発生率はfluvastatin群で低かった(26例[22%] vs 31例[38%])。これは約1.5年後より群間差を認め,その差は試験終了まで継続した。冠アテローム硬化性イベントの発生率もfluvastatin群で低かった(23例[19%] vs 29例[35%])。
●結論 糖尿病は心血管合併症の重要な予測因子であり,PCI施行後の長期的な有害事象を増加させる。本試験により,fluvastatin治療によって糖尿病による長期的な有害事象の発生を安全に低減できることが示された。