編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Donnelly LA, Morris AD, Frier BM, Ellis JD, Donnan PT, Durrant R, Band MM, Reekie G, Leese GP, DARTS/MEMO Collaboration: Frequency and predictors of hypoglycaemia in Type 1 and insulin-treated Type 2 diabetes: a population-based study. Diabet Med 2005; 22: 749-755. [PubMed]

1型およびインスリン治療中の2型糖尿病患者において,低血糖の頻度を前向きに調べた貴重な成績である。1型患者では実に82%が,2型患者でもほぼ半数にあたる45%が低血糖を発生していた。重度の低血糖も思ったより多く,インスリン治療中のすべての糖尿病患者に対し,低血糖の教育を徹底する必要がある。【片山茂裕

●目的 1型糖尿病およびインスリン治療を行っている2型糖尿病患者において,自己報告の低血糖発生率を評価し,その予測因子を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 観察期間は1ヵ月。
●対象患者 267例:スコットランドTayside州の糖尿病患者データベース(2001年3月現在2522例)から無作為に選出された≧16歳の1型糖尿病患者(94例)およびインスリン治療を行っている2型糖尿病患者(173例)。年齢(中央値):1型糖尿病患者40歳(範囲16~74歳),2型糖尿病患者66歳(範囲34~86歳)。
●方法 参加者に,低血糖の発生(発生日,発生時間,状況,発生時の血糖値,低血糖治療に対する反応,第三者の介助を要したか)を記録するよう指導。1ヵ月後に記録を回収し,非侵襲的心血管試験による自律神経機能評価およびHbA1c値測定を実施。ロジスティック回帰分析にて低血糖発生の予測因子を検討。
●結果 低血糖の発生は572件(155例[58%])で,そのうち1型糖尿病患者における発生は336件(77例[82%]:発生率42.89件/人・年),2型糖尿病患者における発生は236件(78例[45%]:発生率16.37件/人・年)であった。また,それらの低血糖のうち重度のものは14件(9例)であった(1型糖尿病患者9件[4例]:発生率1.15件/人・年,2型糖尿病患者5件[5例]発生率0.35件/人・年)。
低血糖発生の有意な予測因子は,1型糖尿病患者においては過去1ヵ月の低血糖の既往(p=0.006)および経口薬の投与(p=0.048),2型糖尿病患者においては過去1ヵ月の低血糖の既往(p<0.0001)およびインスリン治療期間(p=0.014)であった。
●結論 インスリン治療を行っている2型糖尿病患者では,自己報告の重度の低血糖発生率は1型糖尿病患者より低かったが,従来の報告より高頻度である。インスリン治療を行っている患者における低血糖発生の重要な予測因子は,インスリン治療期間であった。