編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Schwartz GG, Olsson AG, Szarek M, Sasiela WJ: Relation of characteristics of metabolic syndrome to short-term prognosis and effects of intensive statin therapy after acute coronary syndrome: an analysis of the Myocardial Ischemia Reduction with Aggressive Cholesterol Lowering (MIRACL) trial. Diabetes Care 2005; 28: 2508-2513. [PubMed]

糖尿病患者におけるメタボリックシンドロームの臨床的意義については,いまだに賛否両論がある。ACS患者を対象とした本試験では,38%がメタボリックシンドロームに該当し,メタボリックシンドロームを有する者では一次エンドポイントのリスクが49%増大した。構成要素ごとにみた場合には,糖尿病や低HDL-C血症の寄与が大きかった。興味深い事実は,メタボリックシンドロームの有無にかかわらず,atorvastatinの虚血イベント抑制効果は同等に認められたことである。【片山茂裕

●目的 急性冠症候群(ACS)発症後において,メタボリックシンドロームが虚血性イベントの早期再発リスクおよび強力な早期スタチン治療の効果に及ぼす影響を検討した。
一次エンドポイントは全死亡,非致死性急性心筋梗塞(MI),心停止後の蘇生,再入院を要する狭心症の悪化までの時間。二次エンドポイントは全死亡。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設。
●試験期間 試験期間は16週。
●対象患者 3038例:MIRACLの参加者(不安定狭心症または非Q波急性MI患者3086例)のうち,メタボリックシンドロームのリスク因子に関する完全なデータが得られた例。
除外基準:血清コレステロール値>270mg/dL,冠動脈血行再建術の予定,試験薬以外の脂質低下薬の使用,不安定型糖尿病または1型糖尿病。
●方法 本解析はMIRACL(入院後24~96時間に患者をHMG-CoA還元酵素阻害薬atorvastatin 80mg/日群,プラセボ群にランダム化し,16週投与)の事後解析として実施された。
メタボリックシンドロームとエンドポイントおよびatorvastatinの効果との関係を検討。メタボリックシンドロームは,以下の3つ以上に該当する場合とした:糖尿病の既往,高血圧の既往または≧130/85mmHg,BMI>30kg/m²,HDL-C値<40mg/dL(男性)または<50mg/dL(女性),トリグリセリド値≧150mg/dL。
●結果 38%(1161例)がメタボリックシンドロームと判定された。
メタボリックシンドロームにより一次エンドポイントリスクは増加し,メタボリックシンドローム例における発生率は19.2%,非メタボリックシンドローム例(1877例)では14.3%であった。
単変量解析では,メタボリックシンドロームの基準のうち糖尿病(ハザード比[HR]1.33)およびHDL-C低値(HR 1.28)が一次エンドポイントのリスク増大と有意な相関を示した(いずれもp<0.01)。多変量解析では(年齢,性別,治療群を補正),メタボリックシンドロームにより一次エンドポイントリスクは49%増大していた(HR 1.49,95%CI 1.24-1.79,p<0.0001)。
atorvastatin 80mg/日による一次エンドポイントリスクの相対的低下度(vs プラセボ)は,メタボリックシンドロームの有無にかかわらずほぼ同程度であった。
●結論 本試験の定義によるメタボリックシンドロームは,ACS発症後における虚血性イベント早期再発の強力な予測因子であった。