編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Madsen MM, Busk M, Sondergaard HM, Bottcher M, Mortensen LS, Andersen HR, Nielsen TT, DANAMI-2 Investigators: Does diabetes mellitus abolish the beneficial effect of primary coronary angioplasty on long-term risk of reinfarction after acute ST-segment elevation myocardial infarction compared with fibrinolysis? (A DANAMI-2 substudy). Am J Cardiol 2005; 96: 1469-1475. [PubMed]

これまでのメタアナリシスでは,PCIが血栓溶解療法より,30日以内の死亡や非致死性再梗塞を減少させることが明らかである。またこの効果は,糖尿病症例でも非糖尿病症例と同様であると報告されているが,長期のアウトカムは必ずしも明らかでなかった。
本試験では,平均3.8年間の追跡がなされた。その結果,糖尿病患者ではPCIの再梗塞減少効果が薄れることが明らかになった。【片山茂裕

●目的 ST上昇型急性心筋梗塞(AMI)患者において,初回経皮的冠インターベンション(PCI)またはフィブリン溶解療法実施後の長期アウトカムに糖尿病が及ぼす影響を検討した。DANAMI-2試験のサブ解析。
一次エンドポイントは全死亡,再梗塞,後遺症を伴う脳卒中の複合エンドポイント(本サブ解析の一次エンドポイントは再梗塞)。
●デザイン 無作為,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は1997年12月~2001年9月。追跡期間は3.8年(中央値)。
●対象患者 1572例:ST上昇型AMI患者。
登録基準:症状持続時間<12時間,隣接した2誘導以上で4mm以上のST上昇。
除外基準:metformin治療を実施されている糖尿病患者。
●方法 患者を,初回PCI群,フィブリン溶解療法群(rt-PA急速静注:15mgボーラス→0.75mg/kgで30分→0.5mg/kgで60分)にランダム化。本サブ解析では,糖尿病例113例(初回PCI群57例,フィブリン溶解療法群56例),非糖尿病例1455例(それぞれ731例,724例)を対象とした。
両群の長期アウトカムを糖尿病の有無により比較。
●結果 糖尿病例では,3年後における両群の複合エンドポイント発生率に有意差はみられず(42.1 vs 33.9%,p=0.37),再梗塞については初回PCI群でより高頻度に発生する傾向を示した(26.3 vs 12.5%,p=0.06)。一方,非糖尿病例では,初回PCI群でフィブリン溶解療法群よりも有意に良好なアウトカムが得られた(複合エンドポイント:17.4 vs 23.9%,p=0.002,再梗塞:5.9 vs 11.0%,p<0.001)。
Cox回帰分析では,初回PCI群のフィブリン溶解療法群に対する3年間の再梗塞発生の相対リスク(RR)は,糖尿病例では増大していたのに対し(RR 2.57,95%CI 1.48-4.46,p<0.001),非糖尿病例では低下していた(RR 0.52,95%CI 0.36-0.74,p<0.001)。
●結論 ST上昇型AMI患者において,糖尿病は初回PCIの再梗塞に対する長期効果を消失させる可能性が考えられる。