編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ibsen H, Olsen MH, Wachtell K, Borch-Johnsen K, Lindholm LH, Mogensen CE, Dahlof B, Snapinn SM, Wan Y, Lyle PA: Does albuminuria predict cardiovascular outcomes on treatment with losartan versus atenolol in patients with diabetes, hypertension, and left ventricular hypertrophy? The LIFE study. Diabetes Care 2006; 29: 595-600. [PubMed]

アルブミン尿が心血管疾患のリスクとなることが,LIFE試験の糖尿病患者におけるサブ解析でも確認された。また,アルブミン尿の減少が大きいほど,心血管疾患の発症が低下した。より大きな低下が,β遮断薬に比べてAII受容体拮抗薬でみられたが,この低下の5分の1は,AII受容体拮抗薬群でアルブミン尿がより低下したことによると考えられ,AII受容体拮抗薬の優位性が強く示唆された。【片山茂裕

●目的 高血圧および左室肥大を有する糖尿病患者において,尿中アルブミン・クレアチニン比(UACR)の心血管アウトカム予測能を検討し,降圧薬(AII受容体拮抗薬losartan,β遮断薬atenolol)治療中のUACRの変化,およびlosartan治療の有効性とUACRの変化の関係,またアルブミン尿の減少が心血管イベント減少につながるかを検討した。
一次複合エンドポイントは心血管死,心筋梗塞,脳卒中。
●デザイン 無作為。
●試験期間 追跡期間は平均4.7年。
●対象患者 1063例:LIFEの参加者(左室肥大を有する高血圧患者,55~80歳)のうち,糖尿病を認め,かつUACRのデータが得られた例。平均67.3歳。
登録基準:1~2週のプラセボ投与後の座位SBP 160~200mmHgおよび/または座位DBP 95~115mmHg。
●方法 患者をlosartan群とatenolol群にランダム化。本試験の解析対象は,それぞれ524例,539例。
ベースラインのUACRにより患者を4群に分類し(≦1,1~3,3~12,≧12mg/mmol),Cox比例ハザードモデルによりlosartanまたはatenolol治療とUACRの変化およびアウトカム予測能について検討。
●結果 一次複合エンドポイントリスクはベースラインのUACRが高値であるほど上昇し,最低値群に対する最高値群のハザード比(HR)は,補正なしでは2.6,ベースライン時の左室肥大,Framinghamリスクスコア,治療群を補正後は2.1であった。
治療群別に検討すると,losartan群ではatenolol群に比し,一次複合エンドポイント,心血管死,全死亡のリスクが低く,とくにベースラインのUACRが最高値群の患者においては,losartan治療による心血管死(HR 0.392)および全死亡(HR 0.292)のリスク低下が顕著であった(いずれも補正後)。
追跡期間のUACR低下はlosartan群でより顕著であり,1~2年後までにlosartan群では~33%低下したのに対し,atenolol群では~15%の低下であった(p<0.001)。一次複合エンドポイントのリスク低下は,losartan治療とアルブミン尿をいれたモデルでは21.7%であり,losartan治療のみのモデルでは26.8%であった。すなわち,losartan治療のatenolol治療に対する優位性の5分の1(19%[5.1/26.8%])は,UACRのより顕著な低下により説明されることが示唆された。
一次複合エンドポイントリスクと追跡期間のUACRの変化を検討したところ,リスク上昇とUACR上昇は相関していた。
●結論 高血圧および左室肥大を有する糖尿病患者において,ベースラインのアルブミン尿と心血管アウトカムは相関していた。また,losartan治療のatenolol治療に対する優位性の5分の1は,losartan群でアルブミン尿減少効果がより大きいことにより説明された。また,心血管イベントリスクは治療によるUACRの変化と顕著に相関していた。以上のことから,これらの患者においては,アルブミン尿の監視は疾患管理の重要なポイントとなることが示された。